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2023.11.23
知財ニュース
テムザック、高圧で放水し害獣を追い払う監視ロボット『雷鳥3号』を開発─夜間の熊やイノシシ検知
株式会社テムザックは2023年11月11日、宮崎県延岡市の圃場で、新開発の害獣対策ロボット『雷鳥3号』の運用を開始した。『雷鳥3号』は、稲作をはじめ農業において大きな問題となっているイノシシなどの害獣対策用ロボットで、夜間に圃場に侵入した害獣を検知し、高圧水を噴射して追い払う機能を持つ。
このロボットの開発は、稲の収穫の数週間前にイノシシによる被害が発生したことを受けて急ピッチで進められた。『雷鳥3号』は、農作物の被害防止だけでなく、熊などの大型動物の追い払いにも応用可能とされている。
『雷鳥3号』 について
圃場に侵入し、農作物の収穫に大きな被害をもたらす害獣を追い払うロボット。
日暮れ後の夜間帯において、圃場に侵入するイノシシなどの害獣をセンサーが自動的に検知し、圃場周辺の水路等からポンプでくみ上げた水を高圧にした上で対象物に放水します。対象物を自動的に検知し対象物に向けて放水するため、夜間の圃場の見回りや遠隔監視など、人手をかけた対策を行う必要がなくなります。
テムザックはこれまでにも、ロボットを活用した省力化農業に力を入れてきた。2022年12月には、ロボットを活用した稲作について延岡市と連携協定を締結し、2023年春には最先端実践拠点として「アグリ研究所」を開設。同研究所では、農業経験のない人でも取り組める省力化農業「WORKROID農業」を推進し、米粉用米の水稲直播栽培や雑草防除ロボット『雷鳥1号』の開発、ドローンによる播種作業、水管理システムの運用などを実践してきた。
これらの取り組みにより、稲作にかかる労働時間を大幅に削減し、効率的な農業の実現の可能性を確認してきた同社。今後も収穫ロボットの開発や、収穫した米からの米粉の生産による6次産業化の仕組み作りを進める計画だ。
Top Image : © 株式会社 テムザック