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2023.09.27
知財ニュース
OpenAI、ChatGPTから画像生成できる「DALL-E 3」発表─画像生成に適したプロンプトを会話から自動生成
OpenAIは米国時間9月20日、画像生成AIの「DALL-E 3」を発表した。現在リサーチプレビュー中で、2023年10月上旬に、ChatGPTの有料会員であるPlusとEnterpriseのユーザーへ提供を予定。今秋以降には、API経由とラボでの提供も開始するという。
「DALL-E 3」は、テキストから画像を生成するDALL-Eの最新バージョン。同社の対話型AI「ChatGPT」と機能統合される点が特徴だ。ChatGPT上で、テキストプロンプトを入力して画像生成を行う。
ユーザーが入力したプロンプトにもとづき、ChatGPTが指定の画像生成に適した「DALL-E 3」用プロンプトを自動生成して指示を調整する。長文のプロンプトによる複雑なイメージでも生成可能で、ChatGPT経由で画像の微修正も行える。
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OpenAIは、従来の画像生成AIには「単語や説明を無視する傾向」があり、ユーザーはプロンプトエンジニアリングの学習を強いられていたと述べている。そのため「DALL-E 3」では、ユーザーが入力したテキストに沿って画像生成に適したプロンプトが自動生成され、画像生成する能力を飛躍的に高めたという。
以下の画像は、前身の「DALL-E 2」(左)と「DALL-E 3」(右)で同じプロンプトを使って生成したというが、全体イメージやダンク表現などに違いが表れている。
▲プロンプト; “An expressive oil painting of a basketball player dunking, depicted as an explosion of a nebula.”
また今回から、クリエイティブ・コントロールを追加する。「DALL-E 3」では、存命中のアーティストのスタイルで画像生成するリクエストは拒否するよう設計。さらにクリエイターは、自分が手がけた画像を、画像生成モデルのトレーニングから除外できるようになった。除外にあたっては、専用フォームでの申請が必要だ。
安全性などへの配慮では、DALL-E 2同様、暴力的・憎悪的など有害な画像生成機能を制限。新たに、画像がAIで生成されたものと識別できるような方法も研究中という。後日情報をシェアするとのことで、現時点で詳細は明らかにしていない。
またDALL-E 2同様、生成画像の商用利用も可能だ。OpenAIは、生成画像の所有権はユーザーにあり、転載・販売・商品化に同社の許可は必要ないと述べている。
機能面だけでなく、安全性や著作権保護も強化した「DALL-E 3」。今後の展開が期待される。
Top Image : © OpenAI