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2022.06.29

知財ニュース

トヨタとウーブン・プラネット、持ち運び可能なポータブル水素カートリッジのプロトタイプを開発

トヨタ自動車とその子会社であるウーブン・プラネット・ホールディングスは、手軽に水素を持ち運びでき、生活圏の幅広い用途で水素エネルギーを使用できるポータブル水素カートリッジのプロトタイプを開発したことを発表した。

2022年6月3日~5日には、富士スピードウェイにて開催されたスーパー耐久シリーズ2022 第2戦において水素カートリッジのプロトタイプの展示を行うなど、多くの人々が水素エネルギーを理解し、より身近なエネルギーと感じられるような取り組みを実施。水素が日々の生活で気軽に使用できるエネルギーとなることを目指し、静岡県裾野市にてトヨタが建設を進める未来都市「Woven City」をはじめとした様々な場所での実証を通じて実用化に向けた検討を進める。

水素は利用時にCO2を排出しないクリーンなエネルギーであり、風力、太陽光、地熱、バイオマスなどの再生可能エネルギーを使って水素を製造すると、製造工程においてもCO2の排出を抑えることが可能だ。また、燃料電池システムと組み合わせて発電するだけでなく燃焼させることによりエネルギーを生むことができる。トヨタとウーブン・プラネットは、人がリアルに生活する「Woven City」及びその近郊で、水素の「つくる」「運ぶ」「使う」という一連のサプライチェーンの実証をENEOS株式会社とともに行う予定としている。

将来はこの取り組みを日本、そして世界に広げ、誰もが気軽にクリーンエネルギーを使える社会とカーボンニュートラルの実現に挑戦していく。

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水素カートリッジは直径約180mm、全長約400mmとポータブルなサイズであるため、パイプラインなしで生活圏に水素を持ち運ぶことができる。水素カートリッジ1本あたり一般的な家庭用電子レンジが約3~4時間運転できる電力量が想定されており、今後検討する高圧水素タンクの前提で電力量は約3.3kWh/本が想定されている。質量目標はタンク満タンで5kg程度(バルブ、プロテクター部を除いた数値)で、用途にあわせて今後複数の種類を検討している。

また、カートリッジ型であるため容易に交換ができ、すぐに使用できる汎用性の高い仕様にすることで、幅広い用途への適用が期待でき、小規模なインフラで対応できるため、災害時にエネルギーが供給されず孤立する地域や未電化地域などに貴重なエネルギーを供給できる可能性も期待されている。

Woven Cityでモビリティや様々なアプリケーションなどに使用することを検討するとともに、Woven Cityに住む発明家をはじめとした人々とともに、更なる水素カートリッジの可能性を模索していく。水素カートリッジは今後のWoven Cityなどでの実証を通じて高圧水素タンクの前提で設計・開発を進め、より使いやすい水素カートリッジとなるよう、改善を重ねていく予定だ。

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Top Image : ©️ トヨタ自動車 株式会社

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