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2023.09.28
知財ニュース
エシカル・スピリッツ、世界初の「木の酒」生産販売へ─つくば市の小学校跡地に新蒸溜所を建設
廃棄素材を使用したスピリッツの生産や、再生型蒸留所を運営する蒸留ベンチャーのエシカル・スピリッツ株式会社は、世界初(※)となる「木の酒」の生産販売に挑戦するプロジェクト「WoodSpirits(ウッドスピリッツ)」の商品をメインに製造する、新たな蒸留所を茨城県つくば市にて建設することを発表した。
(※森林総合研究所が開発した木材中の繊維を糖化・発酵する技術を活用し、民間事業者が商品化する「木の酒」として世界初)
新蒸溜所は、同社として「東京リバーサイド蒸溜所」(東京・蔵前)に次ぐ、2つ目の蒸留所。今回建設が決定した場所は茨城県つくば市の小学校跡地(旧作岡小学校)。廃校舎の利活用として、2023年8月31日付けでつくば市との賃貸借契約が締結された。
「WoodSpirits」は、日本の蒸留ベンチャーである「エシカル・スピリッツ」とBar BenFiddichのオーナー 鹿山博康氏が共同で立ち上げたもので、国立研究開発法人森林研究・整備機構・整備機構 森林総合研究所と共同研究契約、特許実施許諾契約を締結したプロジェクト。 「木の酒」 を民間事業者として製品化及び販売する、世界初の取り組みだ。
「木の酒」は、森林総合研究所が開発した特殊なミキサーで木材を天然水とともに微粉砕、ピーナッツクリーム状にして、酵母が木材を分解、発酵できる状態にする「湿式ミリング処理」と呼ばれる技術を活用。
木材を粉砕し、木そのものを発酵・蒸留させることで、「木を粉砕し、そのまま発酵・蒸留し作り出したまったく新しいお酒」という新しいテイストの酒を製造している。
今回新蒸溜所が建設される茨城県つくば市は、同社が「木の酒」の共同研究契約を締結する森林総合研究所が所在する場所でもあり、「WoodSpirits」の製造に最適な立地だという。
また、建設地に旧作岡小学校跡地を利活用することは、エシカル・スピリッツの理念である 「Starring the hidden gem(隠れた才能をステージへ)」 という考えにも合致。今回は、体育館を中心に、643平米での開発が予定されている。
新蒸溜所では「WoodSpirits」の “木の酒” の他に、これまで「東京リバーサイド蒸溜所」で蒸留してきたクラフトジンなどの増産蒸留も予定。生産量はもちろん質の向上も含め、ブランドの認知を加速させていく。
Top Image : © エシカル・スピリッツ 株式会社