Googleが、ハーバード大学教授であり社会学者のエリス・モンク氏と共同で肌の色調を10段階にまとめた「モンク・スキン・トーン(MST)スケール」を発表した。このMSTスケールは2022年中にさまざまなGoogle製品に組み込まれる予定だ。

Googleは2021年にPixel 6のカメラとAIによる画像処理で、さまざまな肌の色を美しく撮影するための機能「リアルトーン」を発表している。このリアルトーンをさらに進化させるべく、Googleがエリス・モンク博士と共同で開発したのがこのMSTスケールとなる。

開発にあたったモンク博士は人種とエスニシティに関する社会の不平等の研究を専門としている。肌の色とその濃度による差別であるカラリズム（colorism）について長年研究を進め、今回より現実世界に即した10トーンの肌色スケールを開発した。MSTスケールは、これまで用いられていたフィッツパトリック・スケールに比べて、とくに濃い肌色を評価するのにより適しているという特徴がある。

既に実装されているリアル・トーン・フィルタとの併用により現実の肌色を再現し、現実社会においてよりインクルーシブな肌色のスペクトラムをテクノロジー分野で実現するのが狙いだ。

MSTスケールは画像検索結果やグーグル・フォトをはじめ、様々なGoogleサービスに実装される。Googleは自社でMSTスケールを導入するだけではなく、オープンソース化することで、外部にプロダクト開発や研究への活用を促している。また、自社においてもユーザーからのフィードバックを受けて、さらに研究を推進するとのことだ。

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