News
2023.10.27
知財ニュース
2023年度グッドデザイン賞が発表─グッドデザイン大賞は千葉の高齢者施設「52間の縁側」に決定
公益財団法人日本デザイン振興会は2023年10月5日、グッドデザイン賞の受賞記者発表会を開催し、同賞の受賞結果を発表。その後、オンラインによる一般投票、および10月25日に開催された大賞選出会での最終のプレゼンテーション審査を経て、「グッドデザイン賞」の最高賞である「グッドデザイン大賞(内閣総理大臣賞)」を決定・発表した。
2023年度のグッドデザイン大賞受賞は、千葉県八千代市の高齢者のデイサービスセンター「52間の縁側」(有限会社オールフォアワン、株式会社山﨑健太郎デザインワークショップ)。子供や地域の人々が気軽に訪れ、デイサービス施設という型にはまらない、地域でお互いに助け合える場が実現されていることが高く評価された。
グッドデザイン賞は、1957年に旧通商産業省によって設立された「グッドデザイン商品選定制度」(Gマーク制度)から始まったデザイン評価・推奨運動。プロダクトデザインのみならず、建築物やWebサイト、活動、ソフトウエア、サービスなど、何らかの理想や目的のために作られたモノやコトをデザインととらえ、評価・顕彰している。
2023年度は5447件の応募があり、1548件が「グッドデザイン賞」を受賞。このうち、特に高い評価を受けたデザイン100件が「グッドデザイン・ベスト100」に選定され、ここから「グッドデザイン金賞」20件をはじめとする、計特別賞32件が決定した。さらに「グッドデザイン金賞」から「グッドデザイン大賞(内閣総理大臣賞)」のファイナリスト5件が選定された。
以下では、「グッドデザイン大賞」およびファイナリスト5件を紹介する。
グッドデザイン大賞
・『52間の縁側』 (有限会社オールフォアワン / 株式会社山﨑健太郎デザインワークショップ)
家庭や学校に居場所のない子供たちをはじめとする地域住民が、施設の手伝いをしながら要介助高齢者と食事やお風呂を共にする縁側のようなデイサービスセンター。様々な人々が行き交う「まち」のような建築のなかで、人々が「お互い様」で自由に安心して暮らしていける地域拠点になっている。
グッドデザイン大賞ファイナリスト
・『Panasonic ラムダッシュ パームイン ES-PV6A』 (パナソニック株式会社)
掌サイズを追求した電動シェーバー。自在可動により顔の凹凸に密着させていたヘッドの部分を手首や指の動きで置き換えることで、指先で肌と対話するようなシェービング体験を実現。普段使わないユーザーにも心地よいデザインと、自然由来素材による環境への配慮も両立している。
・『プリウス』 (トヨタ自動車株式会社)
走りの性能でクルマの新たな可能性を実現する新型プリウス。「愛車」をテーマに一目惚れするようなファーストインパクトと普遍的な美しさを表現するとともに、「環境車=シリアスで退屈」という概念を一掃し、人の感性に響く外形デザインを実現している。
・『NHKシチズンラボ』(日本放送協会)
Webサイトや番組、イベント、SNSなどの多角的なコミュニケーションを通して、一般市民と研究者をつなぐ市民科学プロジェクト。子供から大人まで、さまざまな市民が簡単に研究に参加できる機会を提供しており、高い学術的価値が認められ、学術誌にも掲載されている。
・『神山まるごと高専』(学校法人神山学園 / 神山町)
テクノロジーやデザイン、起業家精神をまるごと学べる機会を提供する新設高専の開校に至るまでのプロジェクトの複合体。開校資金として計27億円、学費無償化に計105億円の寄付が集まり、奨学金基金として運用する国内初のスキームを実現している。
ファイナリストは、10月25日に行われた大賞選出会にて行われる最終のプレゼンテーション審査へと進出し、オンラインによる一般投票(期間は10月5日から10月24日まで)も経て「グッドデザイン大賞」が選出された。
また、大賞決定の10月25日より、グッドデザイン賞の受賞展「GOOD DESIGN EXHIBITION 2023」が東京ミッドタウン内各所で開催される。
■「GOOD DESIGN EXHIBITION 2023」開催概要
会 期:10月25日(水)~10月29日(日)
時 間:11:00~20:00 (10月28日は21:00閉場、10月29日は18:00閉場)
会 場:東京ミッドタウン内各所(東京都港区赤坂9丁目)
入場料:無料(事前予約不要)
Top Image : © 公益財団法人 日本デザイン振興会