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2024.08.02

知財ニュース

OpenAI、AI検索エンジン「SearchGPT」を発表―最新情報で回答生成、ChatGPTへ統合予定

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OpenAIは現地時間2024年7月25日、Web上の情報を検索し回答するAI検索機能「SearchGPT」を発表した。暫定のプロトタイプとして構築したもので、まずは少数のユーザーやメディアなどのパブリッシャーに公開する。発表と同時にウェイティングリストの登録受付も開始している。

SearchGPTは、ユーザーからの質問に対して、リアルタイムでWeb上を検索し情報をまとめ、回答を生成する。AIを搭載した検索エンジンで、モデル構築時点のデータベースに関わらず、タイムリーな情報検索・回答ができる。

回答生成に用いた情報ソースは、引用元として明示し、リンク先に簡単にアクセスできる仕組み。「ユーザーがパブリッシャーとすぐにつながれるように設計」しているという。

発表時の公開動画では、ノースカロライナ州の特定エリアで、8月に開催される音楽フェスティバルの情報検索を依頼する模様を掲載。SearchGPTは、開催予定のフェスを複数リストアップして回答。回答結果には、出所を記載するとともに、左サイバーに情報ソースをまとめて表示している。

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このようなAI機能・検索エンジンはこれまでも存在していた。最初に展開したのはMicrosoftで、2023年に大規模言語モデル(LLM)を組み込んだ「Bing」をリリース。その後「Copilot」にリブランディングし、現在のAIサービスの主力として展開している。

ほかにも、Googleの「AI Overview」や、2022年創業の米国ベンチャー企業・Perplexity(パープレキシティ)のAI「Perplexity」がある。AI Overviewは、Googleの生成AI「Gemini」を用いた記事検索・要約機能で、2024年内に日本展開を予定。Perplexity AIは情報検索・調査に注力したモデルで、SearchGPTのコンセプトはこちらに近いと見られる。

OpenAI自体も2023年5月、対話型AI「ChatGPT」の有償版「Plus」「Enterprise」に、Web上の最新情報を検索・ソース表示できるWebブラウジング機能を搭載している。しかし、有料配信しているメディアの記事を無料で読めるといった問題が発覚するなどで、一時サービスを停止。その後再開するも動作が不安定な状態が続いた(2024年8月1日時点では利用可)。

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今回のサービス構築にあたってOpenAIは、メディアなどのパブリッシャーと協力して進める方針。プロトタイプの展開に加え、パブリッシャーがSearchGPTで記事の表示方法を管理できるツールもリリースする予定だ。

また今後同社は、ユーザーやパブリッシャーからSearchGPTのプロトタイプに対するフィードバックを得て機能改善を図るという。その先にChatGPTへの機能統合を予定している。

ニュースリリースはこちら
「SearchGPT」ウェイティングリスト

Top Image : © OpenAI

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