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2024.03.08
知財ニュース
富士通、気象庁で新スーパーコンピュータを稼動─計算能力が4倍に進化
富士通株式会社は、気象災害の原因である台風、集中豪雨などを予測し、かつ大容量の気象データの共有を可能にした気象庁の新スーパーコンピュータの構築を完了した。気象庁にて2024年3月5日より稼動を開始する。
同システムは、同社の「PRIMERGY CX400 M7」(※1)を導入し、最新の研究成果、新しい観測データを活用して多くの防災情報の強化を図るとともに、気象情報、データを共有できる環境を構築し、民間事業者や研究機関などの利活用を促進するもの。
本システムの導入により、2023年3月に導入された「線状降水帯予測スーパーコンピュータ」と合わせて、更新前のスーパーコンピュータの約4倍の計算能力になり、気象庁における各種予測精度の向上に貢献できる。
また、同システムの一部に、気象情報、データの共有環境を構築することで、従来は民間事業者や研究機関などに提供できなかった大容量の気象データの共有も可能になるという。
気象庁は「2030年に向けた数値予報技術開発重点計画」(※2)の実現に向け、特に豪雨防災における早期の警戒、避難、台風防災における広域避難、数日先予測の高精度化の実現に注力している。さらに、今後も大容量化が進む気象情報、データを社会に流通させ、利活用を促進するため、従来の配信だけではなく、配信から共有へと発想を転換していく必要があると認識していた。
そこで今回、同システムを採用し、最新の研究成果、新しい観測データを活用して多くの防災情報の強化を図るとともに、気象情報、データを共有できる環境を構築し、民間事業者や研究機関などの利活用を促進していきたい考え。
同社は、「今後も世界トップクラスのスーパーコンピュータの技術を通じて、気象庁の掲げる2030年の目標の達成に向けた取り組みを支援し、気候変動の影響により発生する水災害の防災、減災などに貢献することで、安心、安全でレジリエントな社会の実現を目指していく」と抱負を述べている。
※1 同社が提供する第4世代 インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー搭載をしたマルチノードサーバ。
※2 気象庁より、2018年10月に発表された、気象、気候予測の根幹である数値予報について、現在から近未来における社会ニーズに応えていくことを目標に技術開発を推進していく計画。
Top Image : © 富士通 株式会社