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2023.06.06

知財ニュース

NEC、カメラ映像とAIで迷子を素早く見つける「あいまい検索技術」を開発─平均2分で迷子を発見、EC・マーケティングへ応用も

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NEC 日本電気株式会社は、カメラの映像のあいまいな情報から特定の人物を高速・高精度に検索できる映像分析向けの「あいまい検索技術」を開発した。この技術を活用することで、施設内における迅速な迷子捜索などが可能になる。

「あいまい検索技術」は、記憶とAIによる推定の、双方のあいまいさを考慮し、総合的に特定の人物に合致するかを高速かつ高精度に判定し、検索結果を出力できる業界初の技術。被写体の視覚的な特徴から、性別や服装、持ち物などの100以上の属性情報をAIによる推定の確信度とともに付与し、目撃者の記憶が誤っている場合や、光加減によりAIの推定が事実と異なる場合でも、候補から排除することなく効率的に対象人物を発見できる。

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迷子などの特定人物の検索では、防犯カメラの映像などから視覚的な特徴を分析する手法が一般的だが、目撃者の記憶が事実と異なる場合や、子供が多く集まる施設などで多くの人物の服装が該当してしまい絞り込みが困難な場合があり、映像の活用には課題があった。また、顔認証技術を使用した分析は、プライバシーへの配慮が必要なほか、映像が低解像度な場合は有効に活用できない可能性があった。

そこで同社は、「あいまい検索技術」を開発。NECが実施した実証では、人通りの多い14エリアで1時間程度撮影を行い、1,000人以上が映るカメラ映像から、平均2分で対象人物を発見できることを確認した。場合によっては数時間かかる探索時間を大幅に短縮できたとのこと。

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同社では、本技術を2023年度中に「NEC 映像分析基盤」にて実用化予定。今後は本技術を迷子捜索に加え、来場客の属性情報を分析するマーケティング領域等への適用を進めて行くと共に、アパレル等のECサイトにおける検索体験の向上など、映像分析以外での応用も検討していくとしている。

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Top Image : © NEC日本電気 株式会社

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