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2023.07.18

知財ニュース

国内初、アサヒ飲料「CO2を食べる自販機」を約30台設置─CO2を吸収し工業原料に循環

CO2を食べる自販機

アサヒ飲料株式会社は、大気中のCO2を吸収する「CO2を食べる自販機」を設置し、自動販売機を活用したCO2の資源循環モデルの実証実験を6月から開始した。7月15日からは東京スカイツリーにて関東初設置する。アサヒ飲料が推進する、将来の世代にワクワクと笑顔をつなげていくための活動「100YEARS GIFT(100年ギフト)」の一環だ。

実証実験は、大気中のCO2を吸収できる新たな「CO2を食べる自販機」を関東・関西エリアを中心に設置し、吸収したCO2を肥料やコンクリートなどの工業原料に活用することで、脱炭素社会の実現に貢献する国内初の取り組み。大気中のCO2の吸収を可能にした自動販売機と、その自動販売機を活用したCO2の資源循環の取り組みはともに特許出願中とのこと。

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取り組みに使用される自動販売機は、庫内にCO2を吸収する特殊材を搭載した「CO2を食べる自販機」。自動販売機の庫内に搭載した特殊材が大気中のCO2のみを吸収する。CO2を吸収しても自動販売機の稼働に影響はなく、大気中のCO2を吸収する樹木と同じような役割を果たすため、脱炭素社会の実現に貢献できるという。

1682484677599-7YjNpPYJRw CO2を食べる自販機の中に入っている吸収材(容器は提示用サンプル)

1台当たりのCO2吸収量は、稼働電力由来のCO2排出量の最大20%を見込み、スギ(林齢56-60年)に置き換えると約20本分の年間吸収量に相当する。「CO2を食べる自販機」は関東・関西エリアを中心に、CO2濃度が高いとされる集客力が高い商業施設や屋内に加え、屋外などさまざまな場所に約30台設置され、CO2吸収量や吸収スピードなどを比較・検証する予定。

また、吸収したCO2は、本取り組みに賛同する各自治体や企業と共創しながらさまざまな工業原料として活用することを計画中。吸収材を肥料に配合し土壌に散布することでCO2の土壌貯留を図るほか、コンクリートの原料に配合しCO2の固定化や海中での藻場造成などに活用することで、ブルーカーボン生態系の再生を図ることなどを検討しているという。

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今回のCO2資源循環モデルの取り組みは、2024年より本格展開の予定。アサヒ飲料株式会社では「自動販売機を通して、環境負荷低減に貢献する取り組みによって100年先のサステナブルな地球を目指していく」としており、2050年までにCO2排出量をゼロとすることを目指していく。

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「CO2を食べる自販機」YouTube

「CO2を食べる自販機」note

Top Image : © アサヒ飲料 株式会社

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