No.191
2020.09.17
ウイルスをはじくテキスタイルコーティング技術
Antivirofouling Coating
概要
Antivirofouling Coatingは、ウイルスをはじくこと(antivirofouling)ができる繊維(テキスタイル)コーティング技術。従来のコーティング技術において追究されてきた、血液・尿・汗・唾液などの体液に対する撥水性だけでなく、ウイルスに対する忌避性をも併せ持たせられることに新規性がある。加えて、従来技術よりも、超音波洗浄やこすり洗いに対する高い耐久性を実現する。スプレーでの噴霧や液体に浸すなどの利用・生産手段を工夫すれば、ガウンなどの個人防護具から病院の待合室の椅子まで、医療場面におけるあらゆるテキスタイルに適用でき、感染拡大防止に大きく貢献しうると期待されている。
なぜできるのか?
耐久性を実現するコーティング処理
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)ナノ粒子を含む溶液をスポイトで注入したのち、テキスタイル(ポリプロピレンマイクロファイバー)を浸し、加熱により安定性を向上させる、「ドロップキャスティング」という手法を採用している。これによって、超音波洗浄や研磨パッド処理が加えられても、機能を低下させることなく効果を維持できる。
ウイルスのはじき具合に関する評価実験
アデノウイルス4型・7a型(*1)に対する本コーティング効能の試験結果において、高いウイルス防汚性が確認されている。今後は、ベータコロナウイルス属(*2)に対する試験が予定されている。
(*1) 身の回りの生活環境に広く存在するウイルスで、急性呼吸器疾患や結膜炎の原因となる。
(*2) これには、新型コロナウイルス感染症の病原体(SARS-CoV-2)も含まれる。
相性のいい産業分野
この知財の情報・出典
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