No.206
2020.11.04
風の見える化技術
Windgraphy
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概要
「Windgraphy」は、現在吹いている風の状態を誰もが直感的に知ることのできる、風の可視化技術。同時刻に異なる複数の座標で計測された風速データを、LED光の強弱や点滅、色に対応付けてリアルタイムにディスプレイ表示する。見えないはずの風の流れを見える化することで、その空間にいる人の身を守り、やすらぎをもたらす。インスタレーション作品としても注目され、さまざまな応用可能性を秘めた知財として、各方面との共創が進んでいる。
妄想プロジェクト 妄想プロジェクト
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駿足ランナー体験装置
世界一速く走る人間や足の速い動物たちは、走っているときにどんな気分を味わっているのか。「Windgraphy」の技術を使えば、その気分を誰でも体感することができるかもしれない。
「駿足ランナー体験装置」は、「Windgraphy」によって取得した風のデータを、送風装置を組み合わせることで忠実に再現する装置である。この装置内に入った人は、足の速い人や動物が受ける風を「視られる」と同時に、その風圧を感じることで、自分が経験したことのないスピード感を味うことができる。思いきり風を感じられる体験は、新しいストレス発散法としても活用ができそうだ。
実現事例 実現プロジェクト
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ゆらぎかべ -TOU(トウ)
「ゆらぎかべ -TOU(トウ)」は、人の思考を拡張するランダム家電。空間の外を流れる風に反応して揺らめくことで、空間の中に自然の揺らぎをもたらし、壁を目の前にした人が風の流れに心を委ねたまま「ボーッと」できる時間を生み出す。この揺らぎの元となるのは風に関する情報であり、その取得・収集に「Windgraphy」が使われている。
なぜできるのか?
風に関する情報の収集と再現
風速のセンサデータを記録することで、ある日時・地点で吹いた風を異なる日時・地点で再現できる。
面と線で紡がれた「多点同時計測センサー」
パネル上に等間隔で配置された複数のセンサーそれぞれが、風に関する情報を取得する。そのため、個々のセンサーでは見えなかった風の全体像が見えるようになる。
センサー搭載パネルの高い可搬性
パネルは運搬のしやすい分解組み立て式。センサーについても、配置・配線は自由自在。
相性のいい産業分野
- 生活・文化
くしゃみ・咳による室内の気流変化を捉えて新型コロナウイルスの飛沫感染を抑える、Withコロナ時代の空間デザイン
- 住宅・不動産・建築
施設に入所しており外出の困難な人が故郷や自宅で吹いた風を感じられる「ふるさとのかぜ」
窓や壁にWindgraphyが設置された、風の通り道が見える家
- アート・エンターテインメント
体験者が巻き起こす風に連動してパターンを変えるインタラクティブアート
タンポポの綿毛が描く軌跡を可視化するアート「ケセランパセラン・トラッカー」
名作映画の劇中で表現された風を体験できる「『風の谷のナウシカ』体験」
- メディア・コミュニケーション
逢えなくて寂しい孤独な日でも、大切な人がささやく吐息を耳の両側で感じられる「桃色吐息」
この知財の情報・出典
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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