No.296
2021.03.24
早産のリスクを判定するデジタルスクリーニングツール
PopNatal
概要
PopNatalとは、独自のアルゴリズムを使用して危険因子を300種類以上分析し、早産のリスクを判定するデジタルスクリーニングツール。利用者が妊娠前や妊娠初期にスマホなどから15分程度の質問に答えるだけで、これまで7%程度しか発見できなかった早産のリスクを75%の確率で特定することが可能に。そして、その結果は72時間以内に担当医師に報告される。早産をした回数が多いほど再発のリスクが高まることから、これまで早産の主な予測因子は早産の既往であったが、その方法では初産婦の早産のリスクを減らすことはできなかった。PopNatalでは、豊富なデータによるエビデンスに基づいて、すべての女性が自身の早産のリスクを正確に理解し、適切な医療を受けられることが期待できる。
なぜできるのか?
妊娠バイオバンクからのサンプルを使用
PopNatalでは、インディアナ大学医学部の妊娠バイオバンクのビルディングブロックから提供されたサンプルを使用。独自のアルゴリズムを用いて55,000を超えるサンプルを分析することで、妊娠前または妊娠初期から、採血を必要とせずに、早産のリスクを75%の確率で特定することが可能となった。
簡易でスピーディなレポートシステム
妊婦がスマホなどから15分ほどで終了する自身のプロファイルや環境についての質問に答えると、300以上の危険因子と照らし合わせて回答を分析。これまでの約10倍の早産リスクを検知し、72時間以内に担当医師に結果を報告する。早産の危険性を妊婦と担当医が把握し共有することで、予防や対策に取り組める。
早産のリスクを軽減する3つのプラットフォーム
開発元のNixxiは、PopNatalの他にも、早産のリスクを軽減するプラットフォームを開発。プロファイルに合わせた出産前のケアのための専門家によるガイダンスを提供する「PopNatal Insights」と、妊娠32週以下で出産する可能性のある妊娠を正確に特定する「DocNatal」を組み合わせることで、妊娠前からリスクのある女性を特定して臨床医と繋ぎ、包括的なケアが可能となる。
相性のいい産業分野
- 医療・福祉
妊娠初期の社員向けに早産のリスクに関する健康支援を行う福利厚生プランや、妊娠中の社員の健康管理
- メディア・コミュニケーション
コロナ禍での感染リスクを抑えた早産リスク診断
- IT・通信
PopNatalと病院をネットワークで相互に繋ぐことによる病床・医師のスムーズな確保
- 生活・文化
里帰り出産や単身赴任などにおける、利用者の健康状態の情報共有
- 流通・モビリティ
タクシーや電車の女性専用車両に導入し乗車時に診断できるモニターシステム
この知財の情報・出典
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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