No.461
知財図鑑関連アワード受賞知財
2021.09.30
捨てても植物の芽が出る野菜由来のマスク
野さいマスク
概要
(「野さいマスク」は、小学生を対象に開催された「超・自由研究アワード2021」最優秀賞受賞作品です。)
「野さいマスク」とは、すりつぶした野菜を布状に伸ばして固形化し、植物の種を貼付したマスク。そのまま廃棄しても自然分解されるだけでなく、植物が発芽して育つため環境にもプラスとなる。コロナ禍においてマスクのポイ捨てが社会問題となる中、捨てるという行為がポジティブに働くよう考案されており、実用化されればマスクのこれまでの機能が拡張される可能性を秘める。
なぜ生まれたのか?
環境問題に関心が高く、以前から海洋ゴミの存在やそれを食べてしまう動物の健康被害に興味があった宮﨑さん(小学校3年生)。
コロナ渦となってからは、マスクのポイ捨てが増えて年間15億枚ものマスクが海に流れていくというデータを耳にし、2020年の冬頃に「捨てても地球環境に害がなく、逆に緑が増えるマスクを作ろう」と、この「野さいマスク」のアイディアが生まれた。
試作では、カボチャ、オクラ、レタス、にんじん、空芯菜のほか、野菜の皮なども使用してマスクに適する素材を探す実験を行った。実験結果からは素材となる野菜の水分量や形状特性、発芽のしやすさなどに違いがあることがわかり、今後の研究に向けた新たな課題や仮説につながっている。
「このマスクが海の生き物をすくい、地球のさばく化をふせぐ発明になればいいと思います。」との宮﨑さんの言葉どおり、マスクの新たな活用方法を見出す知財として、さらなる研究が望まれる。