No.486

2021.11.09

雲を3Dスキャンして天気を予測する気象レーダー

EAGLEレーダー

EAGLEレーダー

概要

「EAGLEレーダー」は、周囲の雲の立体構造を高速でスキャンする小型気象レーダー。周囲360度、半径50km以内の雨雲を30秒でスキャンし、雨粒の大きさや雲の立体構造を3次元で観測する。ほぼリアルタイムで観測可能なため、ゲリラ豪雨や線状降水帯(積乱雲群が同じ地域を通過し、長時間の大雨をもたらす現象)、大雪、突風、ヒョウなど、半径50km圏内で突発的かつ局地的に発生する気象現象を正確に把握できる。世界各国のあらゆる地域に導入されることにより、グローバルにおける気象現象の監視体制の強化の加速が期待されている。

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なぜできるのか?

雲の立体構造をほぼリアルタイムで観測

「EAGLEレーダー」は、周囲の雲の立体構造をスキャンする小型気象レーダー。周囲360度、半径50km以内の雨粒の大きさや雲の構造、雲の移動方向を高速かつ高頻度で観測する。旧型の「WITHレーダー」では全方位の3次元観測に5分を要したが、「EAGLEレーダー」では30秒でスキャンが可能で、ほぼリアルタイムでの観測が可能。ゲリラ豪雨や線状降水帯(積乱雲群が同じ地域を通過し、長時間の大雨をもたらす現象)、大雪、突風、あられ、ヒョウなど、突発的かつ局地的に発生する気象現象の正確な把握が容易になる。

交通などの社会インフラと連携

予報センターでは、EAGLEレーダーを監視し、観測したデータを数時間先の予報精度向上に活用する。また、雲の様子を3次元的に把握するだけでなく、道路の管理事業者における除雪作業の判断支援や迂回ルートの推薦など、企業向けのサービスを開発する。

グローバルな気象監視体制の強化にも期待

2021年以降の2年以内に日本を含むアジアの計50カ所に「EAGLEレーダー」を設置し、観測データが十分ではないアジア地域における気象現象の監視体制を強化。「EAGLEレーダー」の設置加速とともに、企業や研究機関への観測データの販売も可能になる見込みである。

相性のいい産業分野

環境・エネルギー

ゲリラ豪雨などの突発的な気象変化を正確に素早く把握

流通・モビリティ

天気の崩れを早期に予測することによる事故や災害の回避

農業・林業・水産業

EAGLEレーダーの観測をもとに制作した気象予測データを農業や漁業に活用

旅行・観光

正確な天気の予測による観光資源の活用やツアーの構成

金融・保険

雨雲などの気象データを企業や研究機関へ販売

官公庁・自治体

EAGLEレーダーで得た気象予測データを自治体の除雪作業の判断材料として利用

AI

連合学習と組み合わせることで効率的にグローバルな気象状況を把握

この知財の情報・出典

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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