No.552

2022.01.07

アルツハイマー病などの加齢関連疾患を治療

老化細胞除去ワクチン

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概要

「老化細胞除去ワクチン」は、身体に蓄積する老化した細胞を除去するワクチン。生物は歳を取ると身体の中に「老化細胞」が蓄積していき、様々な加齢関連疾患の発症や進行につながることが明らかになってきたが、老化細胞除去薬は強い副作用なしに投薬することは不可能だった。一方、この「老化細胞除去ワクチン」の場合はワクチン接種で老化細胞が除去され、副作用が少なく長期にわたって効果が得られるため、アンチエイジングや加齢関連疾患への治療のほか、生活習慣病やアルツハイマー病(認知症)など、発症の仕組みがまだ解明されていない病気の治療への応用の可能性としても期待されている。

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なぜできるのか?

抗体による免疫反応で老化細胞を除去

本ワクチンの開発の鍵となったのは、老化細胞に特異的に発現している「GPNMB」と呼ばれる老化抗原。GPNMBは人間の老化血管内皮細胞で顕著に増加するだけでなく、動脈硬化のマウスや高齢のマウスの血管や内臓脂肪組織にも発現の増加がみられる。順天堂大学大学院医学研究科循環器内科学の南野徹教授らの研究グループはこの「GPNMB」が何であるかを突き止め、GPNMBを標的とした老化細胞除去ワクチンを開発した。このワクチンをマウスに接種したところ、抗体による免疫反応により老化細胞が除去され、慢性炎症が改善した。

脂肪組織の慢性炎症や糖代謝異常も改善

「老化細胞除去ワクチン」を肥満食を与えたマウスに接種すると、内臓脂肪に蓄積した老化細胞が除去され、脂肪組織の慢性炎症が緩和したほか、糖代謝異常も改善した。また高齢マウスに接種した場合は、ワクチンを接種していないマウスに比べて身体機能の衰えるスピードが緩やかになっただけでなく、早老症マウスの場合には寿命が延長しうることを確認した。

加齢関連疾患への応用に期待

本技術によって、患者や疾患に合わせた抗老化医療が可能になるほか、老化による体の衰えや糖尿病、動脈硬化に対する改善効果が確認できたことから、アルツハイマー病を含めた様々な加齢関連疾患での検証やヒトへの臨床応用が期待されている。

相性のいい産業分野

医療・福祉

「老化細胞除去ワクチン」でアルツハイマー病などの加齢関連疾患の進行を抑制

生活・文化

「老化細胞除去ワクチン」のアンチエイジング効果で誰もが健康で若々しい社会を実現

スポーツ

アスリートの身体の健康維持にワクチンを応用

農業・林業・水産業

植物や動物にワクチンを投与することで老化を防止

環境・エネルギー

絶滅に瀕した野生の生物にワクチンを投与することで動物の寿命を延ばし保護

この知財の情報・出典

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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Top images:© Getty Images

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