No.594

2022.02.21

琵琶法師が語り継ぐ栄華と滅びの物語

平家物語

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概要

「平家物語」とは、平安時代末期から鎌倉時代にかけて成立したとされる軍記物語。武家貴族であった平清盛を中心とする平家一門の興亡と、源氏を筆頭に台頭する武士たちの人間模様が描かれており、鎌倉末期の随筆『徒然草』によれば、信濃前司行長(しなののぜんじ ゆきなが)という人物が作者という説が有力とされる。この世の「諸行無常」を謳い、古代から中世へ、貴族社会から武家社会への歴史的変革を描いた本作は、800年余りの時を超えてなお多くの創作物にインスピレーションを与え続けている。

実現事例 実現プロジェクト

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鎌倉殿の13人

大河ドラマ第61作となる「鎌倉殿の13人」では、平安末期から鎌倉前期を舞台に、源氏と平家による合戦と、鎌倉幕府が誕生する過程で繰り広げられる権力の座を巡る駆け引きが描かれている。タイトルにある「13人」とは、鎌倉幕府初代将軍・源頼朝の死後に発足した集団指導体制「十三人の合議制」を表している。脚本は三谷幸喜、主演は小栗旬。

「平家物語」製作委員会 HP

TVアニメ「平家物語」

琵琶法師により語り継がれ、後世の文学や演劇に大きな影響を与えた『平家物語』を、小説家・古川日出男の圧倒的語り口による現代語訳を元に、精鋭クリエイターによって初めてTVアニメ化する作品。未来が見える目を持つ琵琶法師の少女・びわを主人公に据え、彼女と平家の棟梁・平清盛の長男の重盛や、その妹の徳子ら平家の人間との交流を軸に、時代に翻弄されながら懸命に生きた人々の姿を描く。

京都アニメーションで『けいおん!』シリーズや映画『聲の形』『リズと青い鳥』などを手掛けた山田尚子監督のもと、脚本に吉田玲子、キャラクター原案で漫画家・高野文子、音楽で牛尾憲輔が参加し、一大叙事詩を少女の目を通じて叙情的に描き出す。

2022年1月12日よりフジテレビ「+Ultra」にて放送、他各局でも放送。
©︎「平家物語」製作委員会

なぜできるのか?

仏教的死生観

「平家物語」全体を通底するテーマに、権勢を振るう者もやがて滅びるという仏教的死生観に裏打ちされた「無常観」がある。とりわけ冒頭の「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響あり。…」という一節に端的に表現されている。

「語り本系」と「読み本系」

「平家物語」には読み物として増補された「読み本系」と盲目の僧侶として知られる琵琶法師が全国を行脚し口承で語り伝えてきた「語り本系」の2系統が知られている。

魅力的なキャラクターと印象的な出来事

平清盛や源頼朝をはじめ、源氏・平氏双方に個性豊かな登場人物が多く、物語の舞台となった土地や名所にちなんだ出来事や台詞などが広く伝わっているため、エンターテイメントとしてジャンルを問わず紹介されている。

相性のいい産業分野

アート・エンターテインメント

「平家物語」を題材に仏教的死生観や無常観を表現

教育・人材

歴史の流れを教育するツールとして「平家物語」を活用

メディア・コミュニケーション

現代を舞台にネットユーザーたちが編み上げる「現代版平家物語」

AI

「平家物語」を独自に翻案し未来に語り継ぐ「AI琵琶法師」

この知財の情報・出典

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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Top images : ©『平家物語絵巻』