No.610
2022.04.27
極限まで解像度を下げた究極のドット絵
粗ドット
概要
「粗ドット」とは、可能な限り低い解像度で表現されたドット絵。極限まで抽象化されているにも関わらず、絵の内容が一目で分かるように作られている。ゲームなどで用いられる通常のドット絵は、縁取りや影のドットにより素材の形を分かりやすく構成されているが、ドット数が極端に少ない「粗ドット」では縁取りや影が用いられず、ドットの色と配置のみで構成されている。表現されたドット絵素材は専用ダウンロードサイト「DOTOWN(ドッタウン)」からダウンロードでき、商用利用も無料で可能なことから、ゲームやSNSアイコン、グッズ、チラシなど、幅広い分野での活用が期待されている。
実現事例 実現プロジェクト
DOTOWN(ドッタウン)
「DOTOWN(ドッタウン)」は、粗ドット素材をダウンロードできるWebサイト。食べ物や乗り物、人物、動物、建物、植物、季節イベント素材など700点以上が公開されており、全ての素材が無料でダウンロードできるほか、商用利用も可能。また、同サイトではアクリルたわしやシール、アイロンビーズ、クロスステッチなど、「粗ドット」を活用した使い方についても紹介。素材を探し利用するだけの素材配布サイトではなく、デザイナーやクリエイターが集まってものづくりを楽しむサイトを目指している。
なぜできるのか?
集団の共通言語として使用可能
「粗ドット」は、元・任天堂デザイナーの前田高志氏が率いるオンラインコミュニティ「前田デザイン室」の発足時に誕生したもの。“らしさ”を表現できるツールとして、共通言語ならぬ共通絵として誕生し、コミュニティのメインビジュアルとしても粗ドットが用いられてきた。ドットの目が粗く世界観が表現しやすいことから、オンラインコミュニティなどの集団内の共通言語・共通絵として使用できる。
高い汎用性
「粗ドット」は、規則性さえ理解すれば、あらゆるツールであらゆる人が作ることが可能。ドットの目が粗いため、制作のスキル差やクオリティの差も出にくく、誰もが自分だけのクリエイティブを生み出せる。
相性のいい産業分野
- アート・エンターテインメント
「粗ドット」で作られた全く新しいRPG
- メディア・コミュニケーション
「粗ドット」で書かれたユーモアあふれる広告
- IT・通信
SNSのアイコンに使用できる手づくりの「粗ドットアバター」
- 生活・文化
記念日に自分で作ったオリジナルの「粗ドット」をプレゼント
- 官公庁・自治体
遠くからでも視認できる「粗ドット」で書かれた標識
この知財の情報・出典
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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