No.776
2022.12.02
電源線・電池交換が不要な「屋内光」発電デバイス
LC-LH
概要
「LC-LH(Liquid and Crystal Light Harvesting)」とは、微弱な屋内光を高効率で電力に変換できる発電デバイス。従来の屋内用太陽電池の約2倍となる電力変換効率を実現し、小面積でも大きな電力を出力できる。また、既存の使い捨て電池を「LC-LH」に置き換えることで、電池の廃棄による環境負荷を低減。電池交換の手間を省けるため、電子棚札や各種リモコン、屋内用のIoT製品などへの活用が期待される。
なにがすごいのか?
屋内光で高効率な発電(変換効率約20%)
様々なデバイスに電力供給が可能
高性能・高品質な光発電デバイスを量産化
なぜ生まれたのか?
屋内光発電デバイス「LC-LH」は、屋内光を電気に高効率で変換できる色素増感太陽電池と、シャープが長年培ってきた液晶ディスプレイ技術を融合することで誕生。2023年度には液晶工場の設備を活用した、高性能、高品質、低コストな「LC-LH」の生産を予定している。
なぜできるのか?
従来比約2倍の発電性能
「LC-LH」は、屋内光を電気に高効率で変換できる色素増感太陽電池(色素で吸収した光を電気に変換する有機太陽電池)と、シャープ独自の液晶ディスプレイ技術を融合。従来のアモルファスシリコン型太陽電池と比べ約2倍(変換効率約20%)の高いエネルギー変換効率を実現した。
低コスト・高品質で製造可能
「LC-LH」の生産では、ガラス上に発電層や電極を形成し電解液を封止する液晶パネル製造と類似した技術を用いることで、コストを抑えた量産を実現。さらに、液晶ディスプレイと同じ工場で製造可能なため、稼働率の向上に貢献する。
電源線・電池交換が不要
小面積でもより大きな電力を出力することができ、電力を消費する商品に搭載することで電源コードが不要となり電池交換の手間を省くことができる。小型化や設置しやすさが求められる電子棚札やビーコン、ヘルスケアや環境関連のセンサなどのIoT製品、さらには各種リモコンやモバイルバッテリー用途にも適している。使い捨て電池から「LC-LH」搭載に置き換えることで、電池の廃棄による環境負荷の低減が可能となり、便利で環境にやさしい製品の創出につながる。
相性のいい産業分野
この知財の情報・出典
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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