No.1038
2025.05.21
自ら種子を地面に埋め込むドリル型の種子運搬装置
E-SEED

概要
「E-SEED」とは、自ら種子を地面に埋め込む生分解性の種子運搬装置。ドローンなどによる空中での播種は、広大でアクセスが困難な地域をカバーすることができ、火災後の森林再生や野生生物の再生を促進できる方法だが、種子が地中に埋まらず、吹き飛ばされたり食べられたりする可能性がある。この装置は、湿らせるとほどける3つのコイル状の尾がついており、雨などで湿らせてドリルのように地面を掘り、種子を埋め込むことができるため、この問題を解決することができるとされている。また、農業および環境ストレスの軽減にも期待がされている。
なぜできるのか?
実際の植物を模した構造
自ら種子を地面に埋め込むオランダフウロの種子を模しており、3つのコイル状の尾がついた構造になっている。ほどける尾の数を増やすことで、穴を掘る際にドリルビットが地表に対してより角度をつけられるようになる。平地で種子を地面に埋める成功率は80%で、これにより、種子が飛ばされたり動物に食べられたりするリスクが軽減される。同じ地形条件下では、天然のオランダフウロの種子の成功率は0%だった。
肥料、菌類、さまざまな植物の種子などの運搬が可能
肥料、菌類、種子など、さまざまなサイズと内容のペイロードを運ぶことができる。システムの性能は、降水量や気温などの環境条件や土壌条件によって大きく変化するため、設計のカスタマイズにより、様々な物理的制約に合わせて設計を最適化することが可能。さまざまな地形条件や積載量に合わせてカスタマイズができる。
天然木材を使用した環境に負荷のない設計
尾にはホワイトーク材を使用し、再生可能で生分解性があり、環境に配慮された設計。また、木材は吸湿性があり、物質的であり、変化にも反応ができる。
相性のいい産業分野
この知財の情報・出典
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
詳細な情報をお求めの場合は、お問い合わせください。
Top Image : © Morphing Matter Lab