No.866

2024.06.13

6万通り以上の香りを噴霧できる“におい再現デバイス”

Hearom(ヒアロム)

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概要

「Hearom(ヒアロム)」とは、ソフトウェアに登録したにおいを自動で噴霧する”におい再現デバイス”。最大16種類の香料を充填でき、6万通り以上の調香パターンを再現できる。なお、においは、においデータの管理プラットフォーム「iinioi cloud(イイニオイクライド)」でカスタマイズが可能。従来は調香師が行なっていたにおいの再現を手軽に行え、体験型エンターテインメントの拡張や食品の販売促進など、さまざまなシーンでの活用が期待される。

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なにがすごいのか?

  • 専門的な技術が必要な“においの再現”をAIで手軽に実現

  • デバイスひとつで6万通り以上の調香パターンを楽しむことができる

  • 画像やキーワードからにおいを生成するAIサービス

なぜ生まれたのか?

従来、「においの再現」は、経験豊富な調香師がにおいを様々な要素に分解し、その要素を他の香料で置き換えていくため、人間しか行えない職人技であるとされてきた。

しかし、属人的な手法ではタイムリーな再現は難しいほか、高コストになるという難点があった。また、においを手軽に再現できれば、映画やテレビといったエンターテイメント体験の拡張やにおいの伝送といった新たな文化の創出も可能になる。

そこで、株式会社レボーンは「Hearom(ヒアロム)」の開発に着手。世界中のにおいデータを蓄積したにおいのデータプラットフォームを構築し、「においの“なんとなく"をなくす」ことを目指す。

なぜできるのか?

微細な香りの違いを表現するディフューザー

「iinioi cloud」では、充填した香料の組み合わせで6万通り以上の調香パターンを楽しむことができ、香料の噴霧時間やタイミングも操作可能。これにより、微細な香りの違いを表現できる。

においセンサー「Obre」による高精度測定

「iinioi cloud」では、においセンサー「Obre」で測定したにおいのセンシングデータを管理可能。本センサーには、16種類の感応膜が塗布された水晶振動子が搭載され、におい成分が吸脱着する際の周波数変化を計測するため、場所や条件を問わず高精度なにおい測定ができる。

においのレシピを生成できるAIサービス

においのレシピは、「iinioi cloud」上の「調香AI」や「画像調香AI」から数十秒で出力可能。「調香AI」は香りをイメージするキーワードと香りの強さから、「画像調香AI」は香りのイメージ画像からレシピを出力する。

AIが画像からイメージされるにおいのレシピを生成

画像からイメージされるにおいのレシピをAIが瞬時に自動で生成する新機能をリリース(特許出願済み)。ユーザーが生成したいにおいをイメージする画像を入力すると、香りブレンドのレシピがAIによって瞬時に割り出される。

相性のいい産業分野

生活・文化

芳香剤がわりに使用しトイレの不快なにおいを除去

メディア・コミュニケーション

飲食店のメニューの匂いを再現し噴霧する、においの屋外広告

旅行・観光

旅行先で撮った写真からにおいの記憶を再現した「においの旅行記」

製造業・メーカー

番組内に登場したグルメの香りが味わえる「Hearom」付き嗅覚ディスプレイ

アート・エンターテインメント

イベント会場のにおいをNFT化して証明書として参加者に配布

この知財の情報・出典

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
詳細な情報をお求めの場合は、お問い合わせください。

Top Image : © 株式会社 レボーン