No.908

Tech Direction Awards受賞作品

2024.08.27

生成AIで“夢の設計図”をつくる体験型企画

Honda DREAM LOOP AI

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概要

「Honda DREAM LOOP AI」とは、自分だけの「夢の設計図」を生成AIでつくる体験型企画。自分が欲しいと思う夢のモビリティについてテキストで入力すると、AIが画像で設計図を生成する。生成AIによる画像生成で創造性を持たせながら、過去のプロダクトのアーカイブデータなどで機械学習を行い、ホンダらしさを含んだモビリティ画像の生成を可能にしている。「JAPAN MOBILITY SHOW 2023」の企画として展開し、最終的に約3万個の設計図を生成した。製品開発者だけでなく、多くの人の自由なアイデアのビジュアル化により、これまでにない新たなモビリティを生み出すと期待される。

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なぜできるのか?

生成AIを組み合わせた仕組み構築

画像生成には、英Stability AIの画像生成AI「Stable Diffusion」を活用している。ホンダの過去プロダクトのスケッチ画像など数百点のデータでトレーニングを行い、モデルを最適化。また、生成AIの利用に伴う著作権侵害などのリスクに対応するため、米OpenAIの対話型AI「ChatGPT」を組み合わせて、悪意を持ったプロンプトを弾く仕組みを構築した。クルマや宇宙など9種類のモビリティカテゴリから1つ選択し、「羽が生えているバイクに乗る」など、やってみたい内容をテキストで入力すると、数分で「夢の設計図」を生成する。また設計図は、カードまたは画像データで持ち帰り可能にした。

「Honda DREAM LOOP」の体現

展示ブースのテーマを「Honda DREAM LOOP」と設定。夢をかたちにしてきたホンダのモビリティを起点に、顧客の夢が多様性を持ちながら広がっていくことをテーマに掲げた。それを体現する企画として、「Honda DREAM LOOP AI」を展開。自由な夢の入力を促す問いかけや参考例の表示などでUI・UXを工夫し、参加しやすい企画を設計した。生成された設計図は、展示ブース内のLEDモニターや公式Webサイトで広く公開している。さらに、集まった約3万個の設計図をもとに、ホンダのデザイナーが創造性を加速させ、「NEXT BLUEPRINT」を構築。夢を叶える方法や未来の可能性を検討し、「みんなとHondaが描く未来」として未来像をまとめた。「歌声をエネルギーに変えたい」「雲の上でキャンプしたい」など16のストーリーを特設サイトに掲載している。

相性のいい産業分野

流通・モビリティ
  • 欲しいモビリティをオーダーメイドで自由につくれるサービスの構築

  • 新しいモビリティのデザイン構築・検討に活用

官公庁・自治体

未来の都市で活用できる移動手段の検討と実装

教育・人材

プロダクトデザイン・開発の学習教材に利用

メディア・コミュニケーション

既存概念を超えたプロダクトの開発アイデアを集めるツールとして活用

この知財の情報・出典

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