No.1033

2025.05.02

電気刺激で手の震えを治療する、FDA承認のウェアラブルデバイス

kIQ(キック)

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概要

「kIQ(キック)」とは、ふるえが起こる本態性振戦やパーキンソン病の患者の動作時の手の震えに効果的な治療を提供する、FDA承認のウェアラブルデバイス。医師から治療を指示された手首に装着し、ユーザーの震えの特徴を個別に検出することが可能。内蔵センサーが震えの周波数やリズムをリアルタイムで計測し、その揺れに同調するように電気刺激を与えることで、手首の神経回路に介入し、筋肉の異常な活動を抑制するよう設計されている。加速度センサーにより震えの周期やパターンをリアルタイムで解析し、そのリズムに同調した電気刺激を手首の神経に与えることで、異常な筋収縮を抑制する。非侵襲かつ薬に頼らない治療手段として注目されている。

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なぜできるのか?

医師の処方に基づいたシステム

TAPS(Transcutaneous Afferent Patterned Stimulation)療法を備えたCala kIQシステムは、医師の処方に基づいて個別に調整される。治療の強度や刺激パターンは医師によって最適化され、動作時に手の震えを軽減させる効果が臨床的に証明されている。使用者ごとの状態に合わせることで、安全かつ効果的な介入が可能となっている。

患者の独自の震えの特徴を感知

内蔵された高精度の加速度センサーがユーザーの震えのリズムや周波数をリアルタイムで検出。得られたデータに基づき、特定の神経経路に対してパターン化された電気刺激を与えることで、筋肉の異常な収縮を抑制し、震えを緩和する。手首から、非侵襲的に脳神経系へ働きかけるスマートな治療が可能。

40分の治療で痛みの緩和が1時間以上持続

1回の治療セッションは40分で、ほとんどの人は治療終了後に1時間以上痛みの緩和を維持できる。パターン化された電気刺激が神経回路に短期的な変調効果を与え、治療終了後も筋肉の安定した動作が継続する仕組み。すべての治療はデバイス上で完結し、1回の充電で最大5回のセッションが可能。日常の中で持続的なケアが行える。

オンデマンド治療とデータ分析の提供

患者ポータルサイトで時間の経過に伴う結果を確認することができる。 治療中に蓄積されたデータはクラウド上で可視化され、ポータルサイトを通じて自分の震えの変化や改善状況を確認可能。医療提供者と治療履歴や効果を共有でき、客観的なフィードバックを基にした継続的な治療調整が可能となる。

相性のいい産業分野

医療・福祉

患者個人での震えの症状の自己管理、医師による遠隔モニタリングでの活用

IT・通信

リアルタイムデータのクラウド連携による遠隔治療支援

金融・保険

行動データに基づくヘルススコア評価や保険設計

教育・人材

震えを抱える就労者のパフォーマンス維持支援

AI

神経疾患の発症メカニズムや治療効果の研究に活用

スポーツ

細かな手の動きを必要とする競技のコンディショニング

製造業・メーカー

作業員の手の安定性モニタリングと精密作業支援

この知財の情報・出典

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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Top Image : © Cala Health, Inc.