知財図鑑

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No.1238

風も音もない、心地よい温度が広がる、睡眠のための放射冷暖房システム

眠リッチⓇ

眠リッチⓇ

概要

「眠リッチ®」は、株式会社フジタ(大和ハウスグループ)が株式会社長府製作所と共同開発した、風を発生させずに放射(赤外線)で部屋全体を冷暖房する放射冷暖房システムだ。一般的なエアコン特有の「風が当たることによる乾燥や冷えすぎ」「ファンの送風音」を排除し、独自開発の「サーモテックファイバーパネル」を通じて熱エネルギーを赤外線へ変換。水循環式ではなくヒートポンプ方式を採用することで、結露のリスクを抑えながら高い省エネ性を実現している。2019年発売の「天吊スマートタイプ」(2020年度グッドデザイン賞受賞)に加え、2025年3月には既存エアコンの配管穴をそのまま使ってマンションや既築住宅へ手軽に導入できる「壁掛タイプ」を投入。医学的・建築工学的なエビデンスに裏付けられた次世代の快眠設備として展開されている。

なにがすごいのか?

  • 体に風が当たらない「無風・均一」な放射冷暖房:
    赤外線で壁・床・ベッドをムラなく調温するため、喉や肌の乾燥、手足の冷えすぎを根本から予防。

  • 図書館より静かな「30dBA以下」の極限静音運転:
    ファンを極低速回転で運用できる構造により、環境省の睡眠時推奨基準(35dBA)を大幅に下回る静寂空間を創出。

  • 医学・学会発表に裏付けられた「覚醒時間80%減」の快眠効果:
    日本建築学会での発表(覚醒時間約80%減・睡眠効率約7%増)や順天堂大学との自律神経安定検証など、確かな実証データを保有。

なぜ生まれたのか?

総合建設会社のフジタ(大和ハウスグループ)は、睡眠中の風や音による不快感を抑えるため、風を使わない冷暖房の可能性を探った。放射(輻射)による冷暖房は、床暖房や冷温水式パネルなどとして実用化されてきたが、従来方式には大がかりな配管工事が必要となる課題があった。そこでフジタは、長府製作所と共同で、同社のヒートポンプ技術とフジタ独自開発のサーモテックファイバーパネルを組み合わせ、既存住宅にも導入しやすい放射冷暖房システムを実現した。

なぜできるのか?

新・放射冷暖房システムによる結露レス&省エネな温度調整

高い熱エネルギーを持つ空気をゆっくりと放出する「ハイレンジ・ヒートポンプエンジン(室内機)」に、熱エネルギーを効率よく赤外線へと変換するフジタ独自開発の「サーモテックファイバーパネル」を組み合わせている。 冷温水を循環させて冷暖房を行う一般的な放射冷暖房と比較して、省エネかつ低コストで結露が発生しないなど、高水準な放射冷暖房機能を実現している。

風を使わない放射制御による覚醒時間の80%減少

風(対流)に頼らず、赤外線による放射熱で部屋全体を均一に調温することで、睡眠を妨げない快適な温熱環境を構築している。 日本建築学会東海支部での研究発表(※1)によると、一般的なエアコンと比較して就寝中の覚醒時間が平均で約80%減少し、睡眠効率が約7%向上するという実証結果が得られている。

※1 参考文献:放射冷房と対流冷房が温熱環境と人の睡眠に及ぼす影響、2021年度日本建築学会東海支部研究集会No.304

低速ファン設計がもたらす30dBA以下の極限静音運転

風を大量に吹き出す必要がない構造的利点を活かし、室内機ファンの回転数を極限まで低速化している。 これにより、就寝中の運転音を騒音レベル30dBA以下(※2)に抑制。環境省が定める睡眠時の推奨基準35dBAを大幅にクリアし、郊外の深夜に匹敵する静寂な環境下での快眠を可能にしている。

※2 人間の可聴特性に合わせて補正を行った騒音レベルの単位(30dBAの目安:郊外の深夜)。

風と音の抑制による自律神経の安定とストレス低減

睡眠中の不快感の主因となる冷風・温風の直接接触や稼働音を徹底して抑え込むことで、就寝中の心身をリラックスした状態に保つ。 自律神経研究の第一人者である順天堂大学医学部・小林弘幸教授との共同ストレス実験では、本システムの使用時に睡眠中の自律神経が安定してストレス指標値が低下し、約9割の被験者がリラックスできたという結果が実証されている。

相性のいい産業分野

住宅・不動産・建築

新築住宅やリノベーション物件の寝室設備として標準採用でき、「快眠環境付き住宅」という差別化価値を物件に付与

旅行・観光

旅館の客室に導入することで、宿泊満足度の鍵となる「睡眠の質」を改善し、リピート率向上と口コミ評価の向上

医療・福祉

老人ホーム・介護施設の個室に導入し、入居者の睡眠の質と自律神経の安定を支援することで、転倒リスクの低減や日中の活動性向上に貢献

アート・エンターテインメント

配信スタジオ・録音スタジオ・ポッドキャスト収録室に導入することで、機材ノイズ以外の環境音を排除し、収録品質を向上

この知財の情報・出典

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。 詳細な情報をお求めの場合は、お問い合わせください。

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