ビールだけを飲むと倒れるU字型のビアグラス
ふらつくビアグラス by よなよなエール

概要
「ふらつくビアグラス by よなよなエール」とは、ビールだけ飲むと倒れるU字型のビアグラス。「よなよなエール」などのクラフトビールを製造・販売する株式会社ヤッホーブルーイングが、「適正飲酒」の啓発活動の一環として開発。ビールの飲酒量が増える夏に「ふらつくビアグラス」を通じて、”お酒の場では水を飲む”という飲み方を提案する。2026年8月5日(水)から公式通販サイト「よなよなの里」で予約販売を開始。公式ビアレストラン「YONA YONA BEER WORKS 新虎通り店」と全国のビアバー・レストラン約30店舗では8月5日(水)から提供を開始する。また、8月中旬頃から中部国際空港JALサクララウンジにて、期間限定で提供を開始する予定となっている。






なぜできるのか?
飲酒習慣のある人を対象にした調査で、お酒を飲んでいる際に十分な水分がとれているかについては75.0%が「不十分である」と回答
ヤッホーブルーイングは、飲酒習慣のある636人を対象とした「飲酒に関する実態調査」実施。これによると、飲酒習慣のある人の4人に3人は、アルコールによる脱水のリスクを認知していることがわかった。また、適正飲酒の心がけとして4位に「飲酒後に水を飲む」、6位に「飲酒と飲酒の間に水を飲む」がランクイン。お酒を飲んでいる際に水を飲むなどして十分な水分がとれているかの質問では、75.0%の人が「不十分である」と回答した。アルコールによる脱水リスクは広く認識されているものの、実際の飲酒シーンでは十分な水分補給ができていないという実態が浮き彫りになった。お酒の場で十分に水分がとれていないと思っている527人に理由を聞いたところ、1位は「お酒が進んでくると水を飲む意識がなくなる」だった。また、4位の「酔うと追加で用意するのが面倒」といった手間や、5位以降の「注文するのが申し訳ない」「盛り上がってる最中に注文しづらい」といった、お酒の場で水を頼むことへの周囲への遠慮等があることが見えてきた。
ビールだけを飲むとバランスが崩れて倒れるグラスで水分補給を促す仕組みを構築
ビールだけを飲むとバランスが崩れて倒れてしまうU字型のビアグラス。ビールだけ飲むとグラスがふらつき倒れるため、ビールと同量程度の水を自然に用意したくなる仕組みになっている。「よなよなエール」などのクラフトビールを製造・販売する株式会社ヤッホーブルーイングが「適正飲酒」の啓発活動の一環として開発した。同社では代表取締役社長の井手をはじめ、飲酒時に水を飲む意識づけを積極的に行う社員がいる一方で、重要性を理解しつつも、実際の飲み会では水を飲むのを忘れてしまう経験のある社員も多くいた。お酒を飲んでいると注文しづらい、酔ってしまうと忘れてしまうといった声から、今回、水分補給を促す仕組みのグラスの開発に至った。
7回の試作を経たグラスの開発
グラスの開発では、7回の試作を経て現在のグラスの形が実現。開発当初はストレートなU字型を想定していたが、飲む際に逆側からこぼれてしまうため、くびれを作り、口を外側に開く形にした。また、底面が半球状であると接地面の面積が少なく自立しないため、車のタイヤのような角に丸みがあり中央が平らな形状にした。ビールを飲む際に鼻までしっかりグラスの中に入れることで、ビールの香りも楽しむことができる。ビールと水をくびれの部分まで、それぞれ約270mlずつ注ぐことができる。
水を飲むことで、口渇感のやわらげや、飲み過ぎを避けやすくすることが可能
このビアグラスと「お酒による脱水と水の関係」について、肝臓専門医の尾形哲先生の医学的な視点からも語られている。尾形哲先生によれば、水を飲んでも、アルコールそのものの毒性が相殺されることはないが、飲酒と同時に水分を摂ることは、脱水の進行を抑え、飲酒ペースを緩やかにすることで、過度な飲酒を避けやすくし、“お酒の飲みすぎ”を起こしにくい飲み方に寄せられるとのこと。アルコールは、腎臓が水を回収しにくくなり、尿が増えやすくなる。通常ビールは、同じ1リットルを飲んだ場合でも、ノンアル飲料より、飲んだ後4時間の尿量が多くなる。実験の結果でも、1Lの通常ビール(アルコール度数約4%)を飲んだ場合、ビールのほうが約158mL多い結果が報告されている。目の前にビールしかなければ、渇きを癒すためにさらにビールを飲んでしまうが、水を飲むことで、口渇感をある程度やわらげることができる。さらに、水を挟むことで飲酒ペースが落ち、飲み過ぎを避けやすくすることができる。アルコールそのものの処理速度は、多くの人でおおむね一定に近く、代謝を早める薬はない。しかし、お酒の合間に水をはさむことで飲むペースが自然にゆっくりになることや、増えやすい尿で失われる水分を補える、という意味で、体の負担を増やしにくい飲み方に近づけることができる。
水で味覚をゼロ点に戻して、再び一口目の”美味しさ”を感じることができる
味覚コンサルタントの菅慎太郎氏からもこのビアグラスと「水を飲むことによる味覚への影響」について「水は、味覚の「五味」をリセットするのに最強の物質です。お酒の間に挟むことによって、何度でもクラフトビールの味を感じることができます。クラフトビールが持つ特性の味・香りをより高めてくれるため、味わいの拡張性とバリエーションを実感することができます。」とコメントしている。また、飲食時に一番”美味しい”と感じやすいのは、一口目で、次第に味に慣れて、味の変化を感じにくくなるが、味覚をゼロ点に戻せる最強の物質が「水」なのだという。お茶や炭酸水など他の飲料では口内に渋みや刺激が残り、次に飲食するものに少なからず影響を及ぼし、味も刺激もない「水」を飲むことで再び一口目の”美味しさ”を感じられるようになる。間に水を挟むことでビールをゆっくり味わう時間が増え、クラフトビール本来の豊かな味わいを感じ取ることができる。お酒の合間に水を飲むという習慣は、身体への負担を和らげるだけでなく、「自分好みのビールの味」を見つけ、味わう時間を長く楽しむための最高の飲み方と言えるとしている。
お酒の場での水分補給に着目して開発
2024年2月に厚生労働省から「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」が公表された。ヤッホーブルーイングは、適正飲酒の必要性が高まる中で、より楽しくカジュアルに適正飲酒を実現することができないかを模索し、2024年7月に飲みづらいグラス「ゆっくりビアグラス」を開発。2026年7月現在までに累計955個を販売し、多くの人が”お酒をゆっくり飲む”という飲み方を体験した。同社は、現在も「ゆっくりビアグラス」の販売は継続しているが、適正飲酒はクラフトビールメーカーとして継続して取り組んでいくべき課題と考えている。2年経った今回はお酒の場での水分補給に着目。また、クラフトビールはのど越しだけではなく、香りや味わいも楽しむことができる。水を飲むことで、多様な味わいをもつクラフトビールの魅力をより感じてもらえるとしている。
公式ビアレストランや、全国の飲食店約30店舗、中部国際空港JALサクララウンジでの提供を予定
8月5日(水)から、公式ビアレストラン「YONA YONA BEER WORKS 新虎通り店」をはじめ、全国のビアバー・ビアレストランを中心とした全国の飲食店約30店舗にて提供を予定している。また、8月中旬頃から中部国際空港JALサクララウンジにて、ラウンジ利用者限定、期間限定で提供を開始する予定となっている。さらに、店舗にて「ふらつくビアグラス」の提供を希望する全国の飲食店に、無償で提供することも発表している。8月5日(水)から9月30日(水)に応募した人の中から選考の上、50店舗にグラス2個が送られる(配送は10月中旬以降を予定している)。
相性のいい産業分野
- 食品・飲料
適正飲酒を支援する飲料・グラス製品への展開
- メディア・コミュニケーション
適正飲酒啓発や健康的な飲酒習慣づくりへの活用
この知財の情報・出典
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。 詳細な情報をお求めの場合は、お問い合わせください。 Top Image : © 株式会社 ヤッホーブルーイング





