No.1010
2025.01.27
AIを活用した落とし物検索サービス
落とし物クラウドfind
概要
「落とし物クラウドfind(ファインド)」とは、忘れ物情報のAI高速登録で、落とし物情報を流通させ、落とし主と落とし物をつなぐプラットフォーム。独自の「落とし物データベース」を構築しており、公共交通機関や施設などの遺失物管理者は、写真撮影と簡単な入力で情報登録可能、落とし主はチャットで落とし物を探せる。従来では特定が難しかった、特徴のない落とし物もマッチング可能。オペレーターへの問い合わせでは、導入済みの他社路線・施設も含めて探すことができる。導入先が増えることで、探せるエリアが拡がるため、国内外の人が集まる場への幅広い展開が期待されている。
なぜできるのか?
「落とし物データベース」の独自開発
画像認識AIなどの技術を用い、簡単に落とし物を管理・発見できる「落とし物データベース」を独自開発した。2~3枚の落とし物の写真から、AIが色や形などの特徴を自動生成。遺失物管理者は、写真撮影と拾った際の時間・場所などの情報を入力するだけで済むため、工数を大幅に削減できる。また現場では、自社内の落とし物を一元管理可能。落とし物一覧の出力機能など、警察連携を効率化する機能も搭載している。
公共交通機関や商業施設などを中心に利用されており、京王電鉄を皮切りに、JR九州、日本交通、東京ドームシティなど全国24社、約2,300カ所で展開中。2025年1月には、近畿大学が学校法人で初めて導入した。
LINE経由で手軽に探せる設計
落とし物の問合せは、LINE経由で行う仕組みで、電話連絡や窓口への訪問が不要。公共交通機関や施設のHPなどから、LINE経由で専用の落とし物フォームに手軽にアクセスできる。フォームでは、基本情報(いつ・どこで・何を)に加え、落とした物に似ている任意の画像をアップロード可能。AIを活用して「落とし物データベース」内で、テキスト・画像を組み合わせてマッチングし、落とし物の発見率を高めている。
テクノロジーと人の組み合わせ
AIによるマッチングと対人応対を組み合わせてサービスを構築している。オペレーターはAIの自動照合を用いて、「落とし物クラウドfind」の導入企業・施設の情報を、横断的・効率的に探索可能。落とし主は、LINEベースの専用チャットでオペレーターとやり取りできる。
これまで日本語のみで展開してきたが、2024年12月、200以上の言語に対応する「ユニバーサル find chat(仮)」構想を発表。LINEアプリをインストールしなくても、メールアドレスなどを使ったシンプルな認証で使える新たなサービス開発を進めている。訪日外国人の利用を想定しており、2025年初旬から空港・駅・観光地などで実証を始める予定だ。
相性のいい産業分野
この知財の情報・出典
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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Top Image : © 株式会社 find