No. 138 距離を超えて「声」と「想い」を届ける腕輪

CHEERPHONE(チアホン)

CHEERPHONE(チアホン)は、マイクを内蔵する親機とスピーカー・LEDを内蔵する子機から構成される腕輪型のIoTデバイス。親機にて入力された音声が離れている子機へ届けられ、発光しながら音声を再生する。主にスポーツ観戦シーンでの利用を想定されており、距離を超えて「声」と「想い」を届ける新しい応援の形を提案している。「無観客試合」の状況においても、スタジアム内にCHEERPHONEを多数設置することで、ファンからの応援を届けることも期待されている。

なにがすごいのか?

  • 自宅からスタジアムに声を直接届けられる
  • スタジアム側ではLEDが光ることで選手が遠隔地からの応援に勇気付けられる
  • 専用アプリにより、子機を託したい相手をマッチングできる

*現時点ではデモ用のプロトタイプが完成している

なぜ生まれたのか?

スポーツ観戦の形は、ラジオからテレビへ、そしてスマートフォンへと時代とともに進化し、会場に居なくてもリアルタイムで試合を見られるようになった。会場で「想い」を声にのせて応援することはアスリートへの後押しとなるものの、離れた場所からの観戦では、どんなに大きな声を挙げても会場へ「想い」を届けることが出来ない。
また、かつての日本では全国から伊勢神宮にお参りをする「お伊勢参り」の文化があり、遠方から伊勢へ行くことは時間と費用がかかるため、代表者が伊勢に行き、「想い」を託された者は皆を想ってお祈りをしていた。「CHEERPHONE」は、日本の人と人を紡ぎ、「想い」を託す文化を取り入れ、離れていても「想い」が届く新しい応援の形の提案として開発された。



妄想プロジェクト

リモート第九

年の瀬になると各地でコンサートが行われる、“第九”ことベートーヴェンの交響曲第9番ニ短調作品125・合唱付き。中でも「歓喜の歌」と呼ばれる終盤の大合唱は、壮大な構成と希望に満ちたメロディで、世界で歌い継がれている名曲である。

しかし奇しくも2020年に起こったCOVID-19パンデミックによって、この年末の風物詩も軒並み中止となってしまった。そんな時でも、この「CHEERPHONE」を活用すれば、一箇所に集まらずとも大合唱が可能なのではないか?というアイディアが「リモート第九」である。

合唱に参加する歌い手たちはそれぞれの場所で歌い、コンサートホールのステージに並べられた「CHEERPHONE」の子機からその歌声を流せば、飛沫感染の心配もなくあの感動の大曲を演奏することができる。音楽の聴き方・参加の仕方の新しい形として、実現を期待したい。


妄想家: 丑田美奈子

相性のいい分野

スポーツ
アウェーゲームなど現地に観戦に行くことが難しい場合、離れた場所からチームに声援を送れる
コミュニケーション
離れて暮らす家族や友人に対して、励ましや慰めなどの言葉を伝える
オフィス
リモートワークでコミュニケーションが激減した部下を叱咤激励して作業効率アップ
エンターテインメント
一年に一度だけ応援団から一挙手一投足を賞賛してもらえるサービス「CHEER-HOYA(チヤホヤ)」
政治
選挙演説に対して何処からでも密にならない形でリアクションできる「ニューノーマル選挙演説」
ライフスタイル
新型コロナウイルス流行を受けて帰省の難しい場合でも、離れた場所からお参りできる「帰省せずにお墓参り」

知財情報

主な知財ホルダー: パナソニック株式会社

CHEERPHONEは自己拡張(Augmentation)をテーマとした研究開発組織「Aug Lab」のプロジェクトとして制作されました。
詳しくはAug Labの公式サイトをご参照ください。

知財ハンター

荒井 亮 Ryo Arai
Producer / Konel Inc.

1977年東京都荒川区生まれ。立教大学社会学部産業関係学科卒。クリエイティブ会社にてライブ配信事業のプロデューサーとして番組の企画制作、各種アライアンスやチームビルディングを担当。その後、Konelに所属し「日本橋地下実験場」を中心としたプロジェクトに関わる。聴覚を拡張するプロダクト『PlayEar』の開発や、インターネット世代のポップカルチャー、メディアアート、ペットテック領域に関心がある。