AutoML-Zero(オートエムエル・ゼロ)
AutoML(Automated Machine Learning)-Zeroは、高校生が知っているような基本的な数学だけを使い、人間からの入力は実質ゼロで機械学習モデルの自動生成を行うシステム。ランダムな初期プログラムまたは白紙の状態から生成するため、人間による先入観を排除し、設計の負担を減少・効率化させることができる。将来的には、数理演算の種類を増やし、計算リソースをプログラムに割り当てることで、人間の思いつかないような高度で斬新な学習アルゴリズムを生成しうると期待されている。
なにがすごいのか?
- 人間の介在によるバイアスを限りなく減らした、モデル設計・構築の自動化システム
- 高校数学レベルの基本的な数理演算だけで学習アルゴリズムを記述
- 適者生存などのダーウィン進化論を借用した新規手法
なぜ生まれたのか?
Googleは長年、機械学習の知識を持たない初心者が学習モデルを実装できるシステム(AutoML)の開発に力を注いできた。AutoMLは、データ前処理・モデル検証などのプロセスや、最適な学習アルゴリズムの構築を自動化できるが、アルゴリズム構築のいくつかの場面では例外的に専門家の知識が必要であったり、モデルの探索空間が限定されたりする問題があり、これらが初心者にとって大きな壁となっていた。スタンフォード大学のLe氏率いるGoogleのエンジニアチームは、探索空間における人間の介在バイアスに引っ張られない新しいフレームワークを導入することで、これらの課題の解決を試みた。
Le氏らは、この新規提案手法によって、ランダム探索よりも効果的なアルゴリズムの発見に成功した。