No. 191 ウイルスをはじくテキスタイルコーティング技術

Antivirofouling Coating

(c) 2020 The Laboratory for Advanced Materials at Pittsburgh

本知財は、ウイルスをはじくこと(antivirofouling)ができる繊維(テキスタイル)コーティング技術。従来のコーティング技術において追究されてきた、血液・尿・汗・唾液などの体液に対する撥水性だけでなく、ウイルスに対する忌避性をも併せ持たせられることに新規性がある。加えて、従来技術よりも、超音波洗浄やこすり洗いに対する高い耐久性を実現する。スプレーでの噴霧や液体に浸すなどの利用・生産手段を工夫すれば、ガウンなどの個人防護具から病院の待合室の椅子まで、医療場面におけるあらゆるテキスタイルに適用でき、感染拡大防止に大きく貢献しうると期待されている。

筆頭著者のGalante氏(ピッツバーグ大学博士課程大学院生)は、コロナ禍の現状を鑑みて、従来技術における撥水・撥血性に留まらない新たな手法を提案するに至った。

なぜできるのか?

耐久性を実現するコーティング処理

ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)ナノ粒子を含む溶液をスポイトで注入したのち、テキスタイル(ポリプロピレンマイクロファイバー)を浸し、加熱により安定性を向上させる、「ドロップキャスティング」という手法を採用している。これによって、超音波洗浄や研磨パッド処理が加えられても、機能を低下させることなく効果を維持できる。

ウイルスのはじき具合に関する評価実験

アデノウイルス4型・7a型(*1)に対する本コーティング効能の試験結果において、高いウイルス防汚性が確認されている。今後は、ベータコロナウイルス属(*2)に対する試験が予定されている。

(*1) 身の回りの生活環境に広く存在するウイルスで、急性呼吸器疾患や結膜炎の原因となる。
(*2) これには、新型コロナウイルス感染症の病原体(SARS-CoV-2)も含まれる。

相性のいい分野

ヘルスケア
医療従事者のスクラブ白衣に塗布することで感染リスク低減
インテリア
あらゆる家具やカバーをコーティングした、感染リスクを抑えたオフィスや居室空間

知財情報

主な知財ホルダー:Galante A.J., Haghanifar S., Romanowski E.G., Shanks R.M.Q. and Leu P.W. (The Laboratory for Advanced Materials at Pittsburgh; LAMP)

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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知財ハンター

小髙 充弘 Mitsuhiro Odaka
Media Artist / Konel Inc.

1991年生、神戸出身。学士(医学,理学)。広義の「感染」に関するメディアアート制作を行う。病原体、行動、モラル等が、複雑に跨ぎ合うつながり構造の上を拡散・極性化する現象に関心がある。その関心の下で、データによる予測可能性を超えた逸脱的な意味付けの内部に人間が人間たる規定要因を探したり、疎外された逸脱主体と他との交流の回復がありうるのか探ったりしている。