No. 192 好みの味を自由に再現する味覚シンセサイザー

Norimaki Synthesizer

Norimaki Synthesizerは、海苔巻きのような形状の装置を舌の先端に当て、シンセサイザーのように好きな味を自由に再現する“味覚版ディスプレイ”である。テレビの映像表示に使われている「赤緑青」の組み合わせで色を表現するRGBのように、ベースになる5つの味を組み合わせることで様々な味覚を再現することが可能。飲食を伴わない味覚再現ツールとして応用が期待されている。

なぜできるのか?

装置構成

装置は、5つの味(甘味、酸味、塩味、苦味、うま味)を感じさせる電解質をそれぞれ溶解し、チューブに入れて寒天で固めた“ゲル”を束ねて円柱型に組み立てられている。組み立てた装置に銅箔を巻き、その部分を手で握り舌に当てると、人とデバイスによる電気回路を形成する仕組みとなっている。

電気泳動

電気回路に電圧をかけてゲル内部のイオンを移動(電気泳動)させることで、舌に当たるイオンの量を制御して味を変化させている。それぞれの味の割合をコントローラーで個別に調整することにより、任意の味を生成することが可能である。

相性のいい分野

医療・介護
持病などにより食事制限が必要な患者に対し、食事の楽しみを擬似的に提供
飲食
新メニュー開発に際した味のプロトタイピング
ウェルビーイング
もう一度食べたい思い出の味、といった過去の味覚体験を再現
エンターテインメント
即興のように様々な味を演奏し、これまで味わったことのない味覚を創出

知財情報

主な知財ホルダー:Homei Miyashita (Meiji University)

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
詳細な情報をお求めの場合は、お問い合わせください。

知財ハンター

小髙 充弘 Mitsuhiro Odaka
Media Artist / Konel Inc.

1991年生、神戸出身。学士(医学,理学)。広義の「感染」に関するメディアアート制作を行う。病原体、行動、モラル等が、複雑に跨ぎ合うつながり構造の上を拡散・極性化する現象に関心がある。その関心の下で、データによる予測可能性を超えた逸脱的な意味付けの内部に人間が人間たる規定要因を探したり、疎外された逸脱主体と他との交流の回復がありうるのか探ったりしている。


知財ライティング: 松崎啓