No. 206 風の見える化技術

Windgraphy

「Windgraphy」は、現在吹いている風の状態を誰もが直感的に知ることのできる、風の可視化技術。同時刻に異なる複数の座標で計測された風速データを、LED光の強弱や点滅、色に対応付けてリアルタイムにディスプレイ表示する。見えないはずの風の流れを見える化することで、その空間にいる人の身を守り、やすらぎをもたらす。インスタレーション作品としても注目され、さまざまな応用可能性を秘めた知財として、各方面との共創が進んでいる。

風が吹き、光が灯る。

ある座標付近で風が吹くと、熱線式センサーがわずかな温度変化を検知して「Windgraphy」に風速データを送る。

実現プロジェクト

ゆらぎかべ -TOU(トウ)

「ゆらぎかべ -TOU(トウ)」は、人の思考を拡張するランダム家電。空間の外を流れる風に反応して揺らめくことで、空間の中に自然の揺らぎをもたらし、壁を目の前にした人が風の流れに心を委ねたまま「ボーッと」できる時間を生み出す。この揺らぎの元となるのは風に関する情報であり、その取得・収集に「Windgraphy」が使われている。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000057032.html

Konel Inc.は、パナソニックとの共同研究開発組織「Aug Lab」にて開発した本知財を、「KYOTO STEAM 2020 国際アートコンペティション スタートアップ展」にて展示した。その際に用いられた風に関する情報は、秋分の日の諏訪湖の風速データだった。


なぜできるのか?

風に関する情報の収集と再現

風速のセンサデータを記録することで、ある日時・地点で吹いた風を異なる日時・地点で再現できる。

面と線で紡がれた「多点同時計測センサー」

パネル上に等間隔で配置された複数のセンサーそれぞれが、風に関する情報を取得する。そのため、個々のセンサーでは見えなかった風の全体像が見えるようになる。

センサー搭載パネルの高い可搬性

パネルは運搬のしやすい分解組み立て式。センサーについても、配置・配線は自由自在。

相性のいい分野

ライフスタイル
くしゃみ・咳による室内の気流変化を捉えて新型コロナウイルスの飛沫感染を抑える、Withコロナ時代の空間デザイン
建築
窓や壁に本知財が設置された、風の通り道が見える家
アート
体験者が巻き起こす風に連動してパターンを変えるインタラクティブアート

知財情報

主な知財ホルダー:KOA株式会社

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
詳細な情報をお求めの場合は、お問い合わせください。

知財ハンター

出村 光世 Mitsuyo Demura
Producer / Konel Inc.

1985年石川県金沢市生まれ。早稲田大学理工学部経営システム工学科卒。アート/プロダクト/マーケティングなど領域に縛られずにさまざまなプロジェクトを推進。プロトタイピングに特化した「日本橋地下実験場」を拠点に制作活動を行い、国内外のエキシビションにて作品を発表している。自然現象とバイオテクノロジーに高い関心がある。


知財ライティング: 丑田美奈子