No.413
2021.09.10
100%繊維系廃材からできたリサイクル素材
RIFMO(リフモ)
概要
「RIFMO(リフモ)」とは、廃棄衣料品に含まれるさまざまな繊維を原料にすることができるサステナブルな繊維リサイクル素材。繊維廃棄物を加熱・加圧成形して開発した新素材であるリフモは木材・プラスチックの代替品に留まらず、高い耐水性や強度などの特性を活かした独自素材として家具や敷板、壁面緑化材などに利用されている。環境負荷が少なく、木材使用量の削減など、SDGsの観点からもさらなる活用範囲の拡大が期待されている。
なぜできるのか?
軽量・汎用性の高さ
リフモの平米重量(12mm厚)はわずか7.2kgと軽量なため、持ち運びが容易となる。ノコギリなどでカットすることで用途に応じた形状加工が可能。
腐食・変形の心配がない
耐水性のあるリフモは、木材のような腐食がない。直射日光や温度変化による変形もないため、規制標識などの道路用資材、ぬかるんだ地面の仮設駐車場や壁面緑化材といった屋外での長期使用も可能となる。
丈夫で割れにくい
リフモは繊維が絡みあうことで、丈夫で割れにくい構造となっている。重量物を乗せても耐えられる強度を持ち、すでに物流センターのパレットの天板などにも使われている。
ファッションロスへの取り組み
家庭から排出される古着、古布など繊維系廃棄物は年間200万トン以上だが、リサイクル用途はウエス(機械拭きの雑巾)、輸出向け古着、反毛(綿に戻して再利用)等と限られており、リサイクル率はわずか10%程度。廃棄処分となる衣料を目的に合わせて生まれ変わらせるリフモは、年々深刻化するファッションロスへの新たなアプローチとなることが期待されている。
相性のいい産業分野
- 資源・マテリアル
廃棄処分となる予定だった衣類を内装の素材や家具など新たなプロダクトに再利用
- 環境・エネルギー
従来の木材素材を廃棄衣類に代替することによる森林破壊の低減
- 教育・人材
学校を卒業する際に思い出の制服をグッズ化できるプロダクトサービス
- アート・エンターテインメント
ハイブランドや好みの古着屋など、元の衣類のブランドから選ぶインテリアショップ
- 生活・文化
故人が生前気に入っていた衣料で作る「形見で偲ぶ供養台」
この知財の情報・出典
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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・特開2004-025857、特開2005-254695ほか