No.959
2024.12.05
3Dモデルの即時生成とミリ単位計測ができるスキャニングアプリ
Scanat
概要
「Scanat(スキャナット)」とは、現実空間のスキャンで、3Dモデルの即時生成とミリ単位の計測ができるiOSアプリ。レーザー光を照射し、センサーで反射光をとらえて距離を測定する「LiDAR」の機能を活用しており、iPhoneまたはiPadで屋内外をスキャンすると、瞬時に高精度な3Dモデルを生成する。生成した3Dモデルは、長さ・高さ・幅などのミリ単位の計測や面積計算ができ、データを活用した図面作成も可能。現地調査や物件確認時などの記録漏れや計測作業・図面作成の負荷を減らし、従来ビデオや写真などで行っていた関係者への空間情報の共有・提案を円滑にする。建設・不動産・設備・家具家電業界などへの展開に加え、イベントやアートなどを含めた広い領域での活用が期待される。
なにがすごいのか?
iOSアプリで手軽に高精度な3Dモデルを生成
3Dモデルで現実空間のミリ単位測定や面積計算が可能
3DモデルからCADデータで図面作成できる
なぜできるのか?
LiDARの活用と性能を高める独自アルゴリズムの構築
iOS搭載のLiDARスキャナーとカメラを活用し、空間や物体を計測して、点群データを取得。独自開発したアルゴリズムを用いて低品質の点群データの除去などを行い、データ精度を高めている。調整後の点群データから、面の状態を表すメッシュデータを作成。メッシュデータにカメラで同時撮影した画像データを貼り付けて、3Dモデルを生成している。モデル生成までの所要時間は約10秒。撮影デバイスから5m以内であればスキャン可能で、脚立などを使わずに空間全体を計測できる。3DモデルはGPS情報も同時に保存するためデータ管理も容易化する。AR・VRにも対応しており、3Dモデルでのバーチャル現地確認や内見、配置検討などを可能にしている。
3Dモデルをミリ単位で測る高精度な計測技術
空間情報を計測してそのまま構築する「ノーマルスキャン」と、壁やドアなどを認識して間取り図のような3Dモデルを生成する「間取りスキャン」の2タイプを搭載。独自アルゴリズムでスキャンデータを調整して、ミリ単位測れて誤差1%以下の、高精度な計測を実現している。3Dモデル内の距離は、画面上の2点をタップすることで表示でき、3点以上をタップすると範囲内の面積を計算して表示する。垂直補助機能も搭載しており、室内空間であれば、天井高も計測可能。計測データはCSV出力も可能で、調査後の書類作成などにも活用できる。
3Dモデルを用いた図面作成機能
3DモデルをCAD図面に変換する機能を搭載している。ノーマルスキャンで作成した3Dモデルは、クラウドにアップロードして作成依頼をすると、約2営業日後に詳細なCAD図面を取得できる。平面図、立面図、天井図の作成に対応している。間取りスキャンで作成した3Dモデルは、アプリ上のボタン操作でDFX形式の簡易図面に変換できる。図面作成の工数・時間を削減し、早期の提案・ネクストアクションを可能にしている。
相性のいい産業分野
- 住宅・不動産・建築
現地調査や物件確認、企画・提案などに活用
- 製造業・メーカー
家具・家電・設備什器・機械・ロボットの配置シミュレーションサービスとして提供
- アート・エンターテインメント
イベント会場の設営シミュレーションやアート・美術品の展示企画
- IT・通信
3Dモデルを活用したリアルな仮想空間によるビジネス用ツールの開発
- ロボティクス
スキャンの実施精度を高める小型ロボットの開発
この知財の情報・出典
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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Top Image : © nat 株式会社