自由形状のアクリル製圧力殻

自由形状の多用途アクリル「Advanced Versatile Acrylics（AVA）」を開発し、アクリルの透明度を活かしながら、楕円型の水中耐圧殻を構築している。前世代の球形船体の潜水艇と同等の設置面積で、2～3倍の使用可能容積を確保。視界の広さは、同サイズの球体外殻の潜水艇の約3倍に及ぶ。また、船内でも視界を遮らないよう、すべての機械設備を、乗客の後方または座席下に配置。機器類へのアクセス容易性を保ちながら、広い視界を確保している。潜水可能な水深は656フィート（約200メートル）。

内部空間設計の柔軟性

船内空間の設計に柔軟性を持たせており、用途に応じてカスタマイズが可能。レイアウトや内装、照明、室温、サウンドなどを自由に設計できる。時間の経過とともに変わるニーズに合わせて、提供内容を変更・進化できるよう構築。これまでにない自由な発想での活用を想定している。「TRITON 660 AVA」は乗車人数の異なる2タイプを展開。大型タイプの乗客（操縦士1名除く）は、大人のみで最大8名収容可能。子どもを含める場合は、大人6名＋子ども4名まで乗船できる。

充実した船内設備

空調設備や湿度制御、ガス、電気などの設備を設置し、長時間快適に過ごせる船内環境を構築している。さらに、多彩な設定が可能な照明設備で、明暗や色合い、質感、動的な動きなどをカスタマイズでき、空間演出が可能。また高音質なサウンドを表現できる、Hi-Fiサラウンドオーディオシステムも搭載。体験内容や用途に応じた雰囲気をデザインできる。

高い潜航操作性

潜航操作を行う「Hammerhead Controller」を改良。ワイヤレスでの操縦を可能にしており、船内のどの席からでも潜航をコントロールできる。コントローラーに搭載しているパネルでは、制御状況や安全情報を表示し、操縦士の状況認識や操作をサポートする。また、アクリル製圧力殻から上下左右を直に見渡せるため、モニターやビューポートに頼らずに、操縦のための視界を確保できる。

長年の開発・潜航実績

2008年の創業以来、複数の潜水艦の開発・製造を手がけており、世界各地の海で多数の潜航実績を持つ。開発した潜水艇は、科学者や調査員といった専門家向けや深海探索用、商業・観光用など多岐に渡る。「TRITON 660 AVA」は、新たな商業用潜水艦として展開。国際的な第三者認証機関であるDNV（Det Norske Veritas）から性能や安全性など複数のテストを受け、最終段階の検査をクリアしている。メンテナンス性にもこだわっており、海上で定期点検や修理、構成変更などが可能。港に戻らず、短時間で整備できる。