No.840
2024.04.23
皮革の端材から再形成した、継ぎ目のないリサイクルレザー
UP-BORN LEATHER
概要
「UP-BORN LEATHER」とは、革製品の製造工程で生じる廃材を、粉砕し再形成してつくられた再生レザー。リアルレザーでは表現できない、全長15mのサイズ感に、滑らかで継ぎ目のない独自の風合いを持ち、デザインの幅を広げる新たな内装材として活用される。従来のサステナブルな空間づくりでは、内装材をできる限り使わない選択が取られていたが、廃材をあえて「使う」という選択によって、レザーのデザイン性とサステナブルが調和する新たな空間づくりを実現した。捨てられていた端材を有効活用し、上質な風合いを漂わせる新しい表面素材として空間づくりに演出を提供する。
なにがすごいのか?
・内装材として活用できる全長15mというサイズ感と、滑らかで継ぎ目のないシームレスな表現
・素材の約60%に本革の端材を使用し、見た目、感触ともにリアルレザーを彷彿とする仕上がり
・ベニヤ、合板、MTFなどの基材に貼る表面材としても加工しやすく、家具のデザインの幅を広げる素材として活用可能
なぜできるのか?
革製品の質の良さそのまま活かすリサイクル
靴やベルトといった革製品の製造工程の中で、型紙からあふれて切り取られた部分である端材は、廃材として捨てられてきた。その端材をファイバー状になるまで粉砕し、そのファイバーをシート状に加工して製造。素材の約60%に本革を使用し、従来のサステナブル素材とは一線を画す、上質で高級感のある仕上がりとなっている。革製品の質感や特徴を活かしつつ、新たな用途へと再利用できる。
「だから、使う」という選択
建築業界では、サステナブルな空間づくりのために、内装材をできる限り「使わない」という選択をし、シンプルな空間を表現することがスタンダードだった。そこで、当製品を開発した「IBIKEN Sustaina-Lab」は「だから、使う」という選択肢を提案。革製品の端材は、革として同じ価値を持っており、味わい深く洗練されている。「だから、使う」という選択で、デザインとサステナブルが調和する空間づくりを実現した。
相性のいい産業分野
- 住宅・不動産・建築
内装材や家具の表面材料に活用し、高級感のある空間を演出
- 資源・マテリアル
大量に捨てられる皮革の廃材を再利用し、動物性レザーの消費を抑制
- 旅行・観光
革製品が特産である地域の観光案内所の内装に活用してPR
- 教育・人材
革製品の手仕事を体験するワークショップに付随して、端材の再利用を学習
- アート・エンターテインメント
天井・壁・床、すべてを革で装飾した新体験空間として、空間演出に活用
この知財の情報・出典
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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Top Image:©︎ イビケン 株式会社