No.950
2024.11.27
目には見えない力を可視化する光のテクスチャ
Visible Stress
概要
「Visible Stress」とは、物体にかかる力を光のテクスチャとして鮮やかに鑑賞する作品。応力(物体が力を受けた際に内部に発生する抵抗力)の分布を解析する「光弾性法」の応用により、目に見えない力の働きを鮮やかに可視化する。なお、本作品は、日本最大級のデザイン&アートフェスティバル「DESIGNART TOKYO(デザイナート トーキョー) 2024」で展覧。身の回りに潜む美しい力の世界の可視化を通して、今まで何気なく感じ取っていた自身と周囲の在り方を再考し、美しい様々な力の世界を想像するきっかけを生み出す。
© AAAQ
なぜできるのか?
「光弾性」が生む虹色の光のテクスチャ
光弾性とは、ガラス・セルロイド・合成樹脂のような透明弾性体に外力を加え偏光板で挟んで観察すると縞模様が現れる現象。この現象は、複屈折(光が二つの方向に屈折すること)により、力が加わった部分が虹色に見えるようになる。「Visible Stress」では、この現象を活用することで、力を鮮やかに可視化する。
多様な形を作成できる「真空成形」
弾性体の成形には、熱して軟化したPETシートを型に押し付けてバキュームで吸うことで変形させる「真空成形」を採用。更に、3Dプリンタで型を出力することで、多様な外力を受けた形状の作成が可能になった。
(制作協力:株式会社ラヤマパック)
「AAAQ」が体現する余白のある表現
クリエイティブユニットの「AAAQ」(エーキュー)は「Answer(答え)を作って作って作って、新しいQuestion(問い)を生む」というフィロソフィーのもと、感性と研究に基づく制作を行なっている。「Visible Stress」では、200年前に発見され応力測定・解析に用いられる「光弾性」を、真空成形や現代の3Dプリンティング技術などと掛け合わせることで、感覚的に美しい形状や見たことのない“テクスチャー“を追求し、さまざまな分野に応用できる余白のある表現を行なった。
相性のいい産業分野
- 教育・人材
材料力学の教材としての活用
- アート・エンターテインメント
雨や風といった自然の作用を光のテクスチャに変えるパブリックアート
- メディア・コミュニケーション
身の回りのモノを持ち込むと力の作用を可視化してくれる体験型サービス
- 官公庁・自治体
建造物に働く力を光のテクスチャとして可視化したパビリオン
この知財の情報・出典
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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Top Image : © AAAQ