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2025.03.04
知財ニュース
全国初、「落とし物クラウドfind」、破棄されていた落とし物をメルカリにて販売へ

「落とし物クラウドfind」を提供する株式会社findは、鉄道会社や商業施設などの提携先企業で拾得された落とし物のうち、法的に保管期間が過ぎ、各企業が所有権を取得したものを、株式会社メルカリが運営するEコマースプラットフォーム「メルカリShops」にてリユースさせる循環モデルの実証実験を2025年2月20日から8月末まで実施すると発表した。
同社によると「メルカリShops」を活用し落とし物を再流通する取り組みは、全国で初になるのだという。毎日多くの落とし物が破棄されていることから、「メルカリ」を通して落とし物を拾った人の善意を未来へつなぎ、破棄を減らす循環型モデルを目指すとしている。
「落とし物クラウドfind」は、落とし主の「連絡するだけでも大変」「探したくても見つからない」という悩み・不安を、テクノロジーの力によって解決するサービスだ。また、遺失物管理だけではなく、返却率向上や管理者の業務効率化をはじめ、ユーザーとのコミュニケーションから警察署への連携まで、ワンストップで利用できる仕組みを提供している。
鉄道会社や商業施設で拾得された落とし物は、落とし主が見つからず、法的に保管期間が過ぎた落とし物は、やむを得ず廃棄物として処理されるケースがあるのだという。2023年度、全国の警察に届けられた落とし物は約2,979万点までのぼり、そのうち落とし主のもとに返却されたものは約30%といわれている。残りの返却されない落とし物の多くは3か月の保管後に破棄されている。
なかにはまだ使用出来る落とし物や商業施設で買ったばかりの品物が含まれているため、findはサステナブルな未来を目指して落とし物の再流通を「メルカリShops」にて実施する。
また、大手百貨店では1店舗あたりで毎月約600件の落とし物を破棄しており、その対応だけでも毎月10時間ほどかかるなど、鉄道会社や商業施設は落とし主のいない落とし物の保管場所や廃棄に多くの課題を抱えている。
「メルカリShops」で得た収益は、「メルカリShops」とfindの手数料を除き、落とし物を管理している施設へ還元される。落とし物管理には大きなコストがかかっているため、落とし物管理コストを少しでも軽減していけるよう推進するとしている。
出品の際は、状態が良い落とし物の中でも個人の特定が出来ないものに絞られる。ブランド物などは、専用の業者を介し品質の状態の確認や鑑定を行った上で出品をしている。また、電気機器は使用テスト実施済みのもののみを出品するとのことだ。
Top Image : © 株式会社 find