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2022.10.05
知財ニュース
オリィ研究所の「分身ロボットカフェDAWN ver.β」、Prix Ars Electronica 2022でデジタルコミュニティ部門の最高賞を受賞
分身ロボット「OriHime」(オリヒメ)の開発、提供を手掛ける株式会社オリィ研究所は、同社が運営する「分身ロボットカフェDAWN ver.β」が、世界的なメディアアートの祭典「Ars Electronica」主催の「Prix Ars Electronica 2022」において、デジタルコミュニティ部門の最高賞「Golden Nica(ゴールデン・ニカ賞)」、およびS+T+ARTSにおいて「Honorary Mentions 2022(次点賞)」を受賞したことを発表した。
株式会社オリィ研究所は、「人類の孤独をリレーションテックで解決する」をミッションに、分身ロボット「OriHime(オリヒメ)」「OriHime-D」を中心としたロボットの製造や意思伝達装置「OriHime eye+Switch(オリヒメアイ プラス スイッチ)」の開発を推進している。ロボットを通じて社会課題をテクノロジーで克服し、難病や重度障害を持った「動けないが働きたい」意欲ある人々に雇用の場を提供してきた。
今回受賞した「分身ロボットカフェDAWN ver.β」は、ALS(筋萎縮性側索硬化症)などの難病や重度障害で外出困難な人々が、分身ロボットを遠隔操作することで働ける常設実験カフェ。2018年以来、3回の期間限定出店を経て、2021年6月に常設店舗を開店した。同店では、分身ロボット「OriHime」「OriHime-D」に搭乗して遠隔勤務のスキルを磨いた「OriHimeパイロット」を70余名育成してきた。社会的弱者とされやすい難病や障害を持つ人々に、企業や自治体で就労する道筋を提供し続けている。
■「Prix Ars Electronica(プリ・アルスエレクトロニカ)」
1987年に創設された世界で最も歴史と権威のあるメディアアートのコンペティションのひとつ。2022年度は5部門が設定され、各部門ごとに「ゴールデン・ニカ賞」が選出された。なお、今年のコンペティションには88カ国から2,338のプロジェクトが応募され、日本の同賞における最高賞の受賞は2015年の赤松音呂氏の「チジキンクツ」以来、7年ぶりとなる。
■S+T+ARTS
アーティスト、科学者、エンジニア、研究者のコラボレーションを支援するために、欧州委員会の研究・革新プログラム「Horizon 2020」の下で開始された取り組み。サイエンス、テクノロジー、アート(S+T+ARTS)のネクサスにおいて、経済的・社会的イノベーションに大きな影響を与えるのに必要な革新的プロジェクトを選び出すコンペティションで、毎年、2つの「Grand Prize(最高賞)」と10の「Honorary Mentions 2022(次点賞)」が選出される。
Top Image : ©︎ 株式会社 オリィ研究所