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2023.07.26
知財ニュース
マイクロソフト、情報漏洩が防げる企業向けAIチャット「Bing Chat Enterprise」を提供開始─月額5ドルでの提供を予定
米Microsoftは現地時間2023年7月18日、「Microsoft 365」の企業ユーザー向けに、AIを活用した業務対応のチャットサービス「Bing Chat Enterprise」のプレビュー版を提供開始した。「Bing」のAIチャットに企業データ保護を加え、業務用途に利用できるようにしたものだ。
「Bing Chat Enterprise」は、業務データの保護機能などを備えたAIチャット機能。企業での活用にも対応できるとする。AIツールを導入したいがデータ保護の観点から難しいという企業の声に対応して、商用データ保護設計で作られた。
ユーザーとビジネスデータは保護され、組織外に漏洩することはないという。チャットデータは保存されず、Microsoftはそれにアクセスできず、モデルのLLMトレーニングには使用されない。
「Bing Chat Enterprise」はウェブ上の最新データの読み込みを行い、ユーザーのプロンプトに応じてグラフ、チャート、画像を含む回答を生成する。引用元もすべて表示されるのでファクトチェックも容易だ。
また、同社は、GoogleのAIツール「Google レンズ」に対抗し、マルチモーダル機能(文章だけでなく、画像や動画も扱える機能)「Visual Search in Chat」をBingのチャットに追加した。画像をアップロードすることで、関連するコンテンツのウェブ検索が可能になる。
「Bing Chat Enterprise」は、「Microsoft 365」の「E3」「E5」「Business Standard」「Business Premium」ユーザーの場合、追加コストなしで利用可能。将来的には、1ユーザー当たり月額5ドルの単体契約プランの提供も予定している。さらに、オフィススイート全般をAIが強力に支援する「Windows Copilot」からも利用できるようになる。
なお同社では、文書やプレゼンテーションの作成などのオフィス業務をAIで支援する「Microsoft 365 Copilot」正式版の料金も発表した。「Microsoft 365」の「E3」「E5」「Business Premium」「Buisiness Standard」ユーザーの場合、月額30ドルで利用できるという。
「Bing Chat Enterprise」製品ページ
「マイクロソフト、テキストで画像生成できるBingの新機能「Bing Image Creator」公開」(ニュース記事)「マイクロソフト、ChatGPTよりも強力なAI搭載の検索エンジン「Bing」とWebブラウザ「Edge」を発表」(ニュース記事)
Top Image : © Microsoft