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2023.05.15

知財ニュース

Microsoft、GPT-4を用いたAI搭載の検索エンジン「Bing」を誰でも利用可能に─新機能も多数追加

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Microsoftは米国時間5月4日、同社のデータベースとOpenAI社によるGPT-4とを組み合わせた次世代型の検索エンジン「Bing」を一般開放すると発表した。併せてビジュアル検索やチャット履歴機能など、新たな機能追加も実施。同社のWebブラウザの「Edge」でも、Bingと連動した機能追加とビジュアルの再設計などを行うという。

AIを搭載したBingは、約3カ月前の2月7日にEdgeとともにローンチ。これまでウェイトリストに登録した人に対して限定的に提供していたが、ユーザー数は順調に増加。Bing のデイリーアクティブユーザーは1億人を超え、Bingモバイルアプリの1日のインストール数はローンチ以来4倍に増えたという。今回のオープン化により、MicrosoftのアカウントでBingにサインインするだけで誰でも利用可能となった。

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新機能として追加されるビジュアル機能ではまず、Bingの検索チャットで、画像・動画・チャート・グラフなどによる視覚的な回答の生成が可能となる。これまでBingのチャットではテキストのみで回答が生成されていたが、ビジュアル化されることで回答を直感的に捉えられるようになる。

Bing2

また、23年3月に追加された画像生成機能「Bing Image Creator」の対応言語を拡大する。Bing Image Creatorは、OpenAIの画像生成AI「DALL∙E」モデルを用いた、テキストから画像生成できる機能。リリース時点の対応言語は英語のみだったが、日本語を含む100以上の言語(Bingの全言語)に拡大する。

さらに今後は、テキストや画像など複数のデータ種別を組み合わせて処理するマルチモーダル機能の拡張も予定。チャットに画像をアップロードしてWeb検索できる機能などを検討しているという。

Bingの限定プレビュー時に寄せられた要望の中で、特に多かったのはチャット履歴へのアクセスを維持する機能と、共有およびエクスポートを可能にする機能だったという。それを受けてMicrosoftは今回、両機能を追加すると発表。

まずBingのチャットをEdgeのサイドバーに常設。過去のチャットに戻って再開可能なチャット履歴機能を、近日中に追加するという。それにより、改めてチャットのやり取りをしなくても過去履歴を遡って内容を掘り下げることができるため、検索の生産性向上が図れる。今後は、過去のチャット内容を別チャットの回答に反映するパーソナライズ機能も検討していくという。

チャットの共有とエクスポート機能も近日中の追加を予定。SNSなどにチャット内容を直接エクスポートして共有できる機能を追加する。Microsoft Wordなどのツールへも、簡単にチャット内容を移行できるという。

さらに近々、Bingのチャットにサードパーティーのプラグインを組み込める、開発者向けのプラットフォーム構築も行う予定。それにより例えば、Bingでレストランを調べる際にチャットからOpenTableに連携してレストラン予約を行ったり、質疑応答システムのWolfram Alphaにつないで複雑な科学や数学に関する答えを得るなどが可能になるという。

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OpenAI のChatGPTでは、既に23年3月にプラグイン対応を開始しており、OpenTableとWolfram Alphaは開始当初のサードパーティーとして名を連ねている。Microsoftは、OpenAIと協力して開発者が活用しやすく一貫性のある環境の構築を目指して取り組む方針だ。プラグイン対応の詳細については、米国時間5月23日から開催予定の「Microsoft Build」で明らかにするという。

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「Microsoft Build」の開催情報

Top Image : © Microsoft

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