News

2025.03.17

知財ニュース

アンリアレイジ、スクリーンを纏う未来の服を発表―パリ大聖堂でLEDを使用した変化する服「SCREEN」を披露

スクリーンショット 2025-03-16 22.47.43

アンリアレイジ(ANREALAGE)が、パリのアメリカン・カテドラルで「SCREEN」をテーマにした2025-26年秋冬コレクションを発表した。

今回のコレクションは「SCREEN」をテーマに、洋服そのものが光を映し出す媒体となる新たな表現に挑戦した。これらのスクリーンの衣服は、CMYKでは再現できない鮮やかなデジタルRGBカラーでレンダリングされたダウンロード可能な無数のデザインから、着る人の気分に合わせて瞬時に変化する。

ショーは、スクリーンを通り抜けるコレクションの物語に沿い、二部構成で展開され、元ダフト・パンクのトーマ・バンガルテルが手がけた特別なサウンドトラックとともに発表された。

anrealage 01

また、コレクションでは、アンリアレイジとクリエイティブ集団MPLUSPLUSがタッグを組み、洋服に映像表現を拡張できる布製の「LED TEXTILE」や「LED YARN」を開発した。

一着分のテキスタイルには、約1万個のフルカラーLEDが組み込まれている。MPLUSPLUSがLEDシステムの設計や無線コントロールデバイスの企画開発、映像制作などを担当した。

「LED TEXTILE」には、日本の紡績メーカーであるシキボウ株式会社が開発した、通気性と吸水速乾性に優れた機能素材「AZEK®」を採用。表側からの光は遮りつつ、裏側からのRGB光は通すことで液晶テキスタイルとして機能している。

これは、日本古来の宝物殿に用いられた校倉(AZEKURA)造の構造に着想を得た織物で、本来は通気性を目的とした素材だが、その構造を透光性に応用することで、表面からの光を遮断しつつ、背面からのRGB光を透過させる仕組みを実現。これにより、スクリーンの概念を具現化するテキスタイルとなっている。

anrealage 04

コレクションには、ロブロックスのアバターを思わせるブロック状のシルエットが登場。液晶スクリーンに映し出されたRGBの光の模様が、カラフルな織物やパッチワーク、さらにはヴェルヴェットやジャガード、キルティングに施された「フォレアス(FOREARTH)」技術を用いたプリントとして具体化、バイオ由来PU素材を用いたロボット風の3Dプリントシューズがルックを完成させた。

フォレアス(FOREARTH)」は、京セラドキュメントソリューションズが開発した次世代テキスタイルプリント技術だ。水の使用量を限りなくゼロに近づける「ウォーターフリー・コンセプト」を採用することで、水の使用を99.98%抑えたインクジェット捺染プリンターで、環境にやさしいモノづくりを実現している。

anrealage 02

anrealage 03

RGBカラーのLED糸で編まれたトップスは、まるで光の宝石のように輝いた。双子のように歩く2人のモデルが纏うルックは、脈打つようにボーダーやストライプが移動し、重なり合いながらチェック柄へと変化し、再び元の柄へと戻っていく。次に、新たなチェック模様が1秒ごとに変化し、わずか30秒で60種類ものバリエーションが生み出された。

フィナーレは、服のパターンが絶えず変化し続け、最後は星々の爆発のように宇宙へと広がり、そして元の黒へと消えていく。アンリアレイジは、「黒い画面、それは無限の可能性を秘めた空間。」だとしている。

スクリーンショット 2025-03-16 22.51.00

プレスリリースはこちら

Top Image : © ANREALAGE

広告