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2024.03.18
知財ニュース
明治大 宮下芳明教授による味のタイムマシン「Chronospoon」、インタラクティブ発表賞を受賞―INTERACTION 2024で
明治大学総合数理学部先端メディアサイエンス学科の宮下芳明教授は、一般社団法人情報処理学会シンポジウム「INTERACTION 2024」で、「Chronospoon: 時を操る調味食器」を公開。一般投票による「インタラクティブ発表賞」を受賞したことを発表した。
「Chronospoon」は味のタイムマシン技術を応用したスプーン型の調味食器。熟成などの味の経時変化を味センサで測定し、味物質の添加量を数式としてモデル化することで、食品の味の時間変化を操れる。
宮下氏は、味覚を中心に、人間の五感を拡張するAR技術を研究。好みの味を再現できる「のりまきシンセサイザー」や舐めると味を感じられるディスプレイ「Taste The TV」、10の60乗通りの味を再現する調味装置「TTTV3」などを開発しており、「電気味覚」の共同研究でイグ・ノーベル賞(栄養学)も受賞している。
また、2024年2月には、「Chronospoon」の原型となるAR装置「Taste-Time Traveller」を開発。複数のタンクから基本五味(甘味、酸味、塩味、苦味、うま味)や辛味などを感じさせる液体を食べ物に混合噴射することで、飲食物の味の変化を再現することに成功している。
なお、会場では、デモ体験も実施。宮下氏は、「たくさんのお褒めの言葉をいただきありがたく思います」と感想を述べている。
「Taste The TV(テイスト・ザ・ティーヴィー)」知財記事
「明治大、“熟成”や“新鮮”などの食味の時間軸を変える手法を発表─ひと晩寝かせたカレーや野菜の鮮度再現が即可能に」(ニュース記事)
「明治大、AIが味を推定し『10の60乗』通りの味を再現する調味装置「TTTV3」開発─料理名や写真で味を再現」(ニュース記事)
Top Image : © 明治大学 宮下芳明研究室