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2022.07.26

知財ニュース

環境移送ベンチャーイノカが世界初、完全閉鎖系人工環境で「純国産サンゴ礁水槽」の立ち上げに成功

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株式会社イノカは、独自の「環境移送技術」により、世界初となる、沖縄県近海に由来するサンゴ種および生物種(バクテリア含む)のみによって構成された完全閉鎖型水槽の立ち上げに成功した。また、国産遺伝資源の保全および持続的利用、また海洋遺伝資源の利用に関する共同研究パートナーの募集を開始した。

「環境移送技術」とは、イノカ独自のIoT技術。天然海水を使わずに、水質・水温・水流・照明環境・微生物を含んだ様々な生物の関係性など、多岐に渡るパラメーターのバランスを取りながら任意の生態系を水槽内に再現する。

同社ではこれまで、本技術を用いた完全人工環境でのサンゴに関する研究でサンゴの長期飼育や季節をずらした抱卵に成功させてきたが、今回は世界で初となる、沖縄県近海に由来するサンゴ種および生物種(バクテリア含む)のみによって構成された完全閉鎖型水槽「純国産サンゴ礁水槽」の立ち上げに成功したという。

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サンゴ礁は、海の表面積の0.2%を占めるにすぎない一方で、サンゴ礁海域には海洋生物種のうち約25%(約10万種)が生息するとされ、また、日本国内には全世界の造礁サンゴの半数以上の種類のサンゴ種が生息しているという。サンゴ礁は、医薬品開発やバイオテクノロジーの素材として役に立つ可能性を持った遺伝資源の宝庫として、その生物多様性が注目されてきた。

しかしながら、20年後には気候変動に伴う海水温の上昇でサンゴの70~90%が死滅する可能性があると予測されており、海洋生態系への重要性から、国際ルールや遺伝資源提供に関する各国の法令が厳しく整備され、サンゴ礁がある地域以外での研究を困難なものにしていた。

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今回の「純国産サンゴ礁水槽」の立ち上げ成功によって、エリアを問わない国産サンゴ礁生態系の遺伝資源に関する研究、標準的な実験環境の構築が可能となり、また、外来DNAの混入を防ぐ形で、国産遺伝資源の持続的な保全を実現する。遺伝子研究や医薬品・化学品・化粧品等での活用が期待されている。

イノカでは、遺伝資源利用の共同研究パートナー募集を開始。今後は、純国内サンゴ礁の遺伝資源を持続可能な形で利用する研究開発を飛躍的に加速することが可能となり、各産業領域におけるグローバル競争力の向上や、地球環境上でこれまで解決されてこなかったディープイシュー解決の切り口とすることを目指していくとしている。

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株式会社 イノカ

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Top Image : © 株式会社 イノカ

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