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2023.12.20

知財ニュース

大阪・関西万博で「ごみ」を巨大アートに変えるプロジェクト始動─中島さち子氏、長坂真護氏コラボ、DNP参画でクラゲ館を制作

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大阪・関西万博で展開されるパビリオン「いのちの遊び場 クラゲ館」にて、プロデューサー中島さち子氏と美術家・長坂真護氏による「ミドルクラゲ 海月(うみつき)」プロジェクトが始動する。また、大日本印刷がプロジェクトに参画。「いのちの遊び場 クラゲ館」の展示・体験およびバーチャルパビリオンの企画・制作を行う。

「ミドルクラゲ 海月(うみつき)プロジェクト」は、クラゲ(海月)をモチーフにした新たな巨大ごみアート作品で、「大クラゲ」をイメージしたクラゲ館の大屋根と、中に吊り下げられるミドルクラゲなどで構成される。クラゲには、創造性やいのち「揺らぎのある遊び」というメッセージが込められている。

クラゲをモチーフとした新たなごみアート作品は、ガーナのスラム街の人々とペットボトルのごみを用いて、それらを清掃し作った平和のシンボル「月の塔」を創り上げた美術家・長坂真護氏と、中島プロデューサーが協働で制作する。

長坂氏は、2017年に世界最大級の電子機器の墓場と呼ばれるガーナのスラム街・アグボクブロシーへ向かい、それ以降、スラムの人権と環境問題を改善するため廃棄物で作品を制作し、その売上から生まれた資金で、現地にアートギャラリー、リサイクル工場、オーガニック農園やEVの事業を展開している。

以降、現地に事業や雇用を創出。経済・文化・環境の3軸が好循環する「サステナブル・キャピタリズム」を提唱し、2030年までにガーナ人10,000名の雇用創出を目指している。

2019年にはアグボクブロシーで、地球環境保全と世界平和を願う作品として、街の人と「月の塔」を共創。この塔は、アグボクブロシーのペットボトルのゴミを材料に、ドーム型に編み上げた球体の中心にライトを設置したもので、今でもガーナのスラムの人々が集まる広場で街を照らす平和のシンボルとなっている。

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なお、プロデューサーは、音楽家であり数学研究者、STEAM教育者と多彩な顔を持つ中島さち子氏が担当。プロセスそのものを協奏型とし、国内各地やガーナ、カンボジアなどをつなぎ、収集したペットボトルをつなぎ合わせて作品を作ることで、「創造性の民主化」を目指すとともに、世界のさまざまなごみの問題をこどもたちや市民が一緒になって考えるきっかけを生み出す。

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本プロジェクトは、万博会期前に開始。まず2023年12月にガーナで「ミドルクラゲ 海月」のパーツを作るワークショップが開催され、2024年1月より順次、国内外へペットボトルのごみ拾いとパーツ作りを呼びかける(詳細は後日改めて発表)。そして、2024年5月3日には「西尾レントオール咲洲モリーナ」(大阪市住之江区)で「ごみ祭り」を開催。中島氏・長坂氏もごみアートコンテストも審査員を務めるごみアートコンテストを開催する。

大阪・関西万博 テーマ事業「いのちを高める」(シグネチャーパビリオン いのちの遊び場 クラゲ館)」公式サイト

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Top Image : © 一般社団法人 steAm BAND

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