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2023.09.22

知財ニュース

ピクシーダストテクノロジーズと塩野義製薬ら、音で認知症に挑む「ガンマ波サウンド」の展開拡大─商業施設や音声メディアなどで提供

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ピクシーダストテクノロジーズ(PxDT)、塩野義製薬、シオノギヘルスケアは、「世界アルツハイマーデー」である9月21日、音で認知症に挑む「ガンマ波サウンド」の取り組みを拡張すると発表した。2022年同日に3社で締結した、音刺激を通じた脳活性化の事業開始に向けた業務提携に基づくもので、「ガンマ波サウンド」を多くの人に体感してもらうことを目指し、まずは商業施設や音声メディアなどへ展開する。

「ガンマ波サウンド」は、テレビやラジオなどの音を40Hz周期に変調した音。40Hzは、記憶や思考などの認知機能の発揮に関連した脳波と言われている「ガンマ波」と同じ帯域の周波数で、変調した音が脳内のガンマ波を惹き起こす。認知機能の障害時には、脳内でガンマ波が低下していると言われているが、「ガンマ波サウンド」による聴覚刺激でそのケアを目指す。

2021年より塩野義製薬とPxDTが進めてきた、感覚刺激による新サービスの研究開発のもと、共同で開発。研究の中で両社は、「ガンマ波サウンド」が脳内のガンマ波を惹起することを確認しており、日々聴き続けることで認知機能ケアできる可能性があると位置付けている。

「ガンマ波サウンド」の特徴は、日常生活の音を用いて、リアルタイムに40Hz周期の音に変調できること。生活に取り入れて聴き続けられるよう、特殊な技術でガンマ波変調技術を用いて開発している。

40Hz周期の音は世界的にも注目され、これまでの研究でも40Hz音は用いられてきたが、用いられていたのは音声情報などを含められない単調なパルス音で、生活に取り入れづらかった。「ガンマ波サウンド」はそうした課題を解消。コンテンツの音声やアナウンス、BGMなどあらゆる日常の音を変調可能にしている。

3社が今回の取り組み拡張で目指すのは、「音がなるあらゆる場所を認知機能ケアできる場所へ変えること」。まずはショッピングモールやスポーツクラブ、銭湯、カラオケなどの施設のほか、健康イベントやラジオなどで展開する。知財図鑑のPodcastでも、9月22日から「ガンマ波サウンド」を放映する。

塩野義製薬とPxDTは、今後もさらなるエビデンス構築と共同研究を推進していく予定。同時に、3社で「ガンマ波サウンド」を多くの人に聴いてもらうような活動を展開し、社会浸透を目指す。

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「ガンマ波サウンド」特設サイト
関連特許・特許第7307929号

Top Image : © ピクシーダストテクノロジーズ 株式会社

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