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2022.06.30

知財ニュース

超音波により人体の中で3Dプリントする技術「ダイレクト・サウンド・プリンティング」をカナダのコンコルディア大学が考案

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カナダにあるコンコルディア大学の研究者らが、超音波を使って液体を固形物に成形する技術「ダイレクト・サウンド・プリンティング(DSP)」を考案した。自然科学分野の学術誌「Nature Communications」に掲載された論文によって公表された。この「ダイレクト・サウンド・プリンティング(DSP)」の研究を進めることで、切開を行うことなく人の体内で直接医療用インプラントの構築が可能になるとされている。

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DSPの仕組みは、液体樹脂の1点に超高周波の強力な音波を1兆分の1秒だけ当て、音波によって液体樹脂に気泡を発生させ、振動させることで気泡の温度を約1万5000度まで上昇させ、それにより液体樹脂に化学反応を起こし、液体樹脂を固めるというもの。

温度の上昇は非常に局所的でかつ短時間のみ発生するため周辺領域に影響を与えることはなく、また、超音波照射装置を特定の経路に沿って移動させることで、複雑な形状の3D物体を構築できるという。

本技術の研究を進めることで、将来的には外科的処置を伴わずに体内に医療用インプラントを直接生成できるようになることが期待されている。

学術誌「Nature Communications」掲載論文:Direct sound printingPDFはこちら

コンコルディア大学の公式サイトはこちら

Top Image : © Concordia University

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