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Tech Direction Awards受賞作品
2024.11.16
レポート
受賞作品が渋谷に集結、「第1回 Tech Direction Awards」受賞作品展が渋谷で開催
一般社団法人 テクニカルディレクターズアソシエーション
渋谷の大規模複合施設Shibuya Sakura Stage内のグローバル・クリエイション空間「404 Not Found」にて、11月16日から19日まで「第1回 Tech Direction Awards」受賞作品展が開催中。
このイベントは、プロジェクト実現に欠かせない「テクニカルディレクション」の役割を評価する場として企画され、さまざまな技術が光る受賞作品18作品が一挙に集合した受賞作品展と、トークセッションが行われる。
展示会では、プロダクト、スマートフォンアプリ、Webサービス、R&Dプロジェクトなど、多岐にわたるジャンルから選ばれた18の受賞作品が紹介されている。これらは、デジタル技術を駆使したプロジェクトにおいてテクニカルディレクションが果たす重要な役割を示しており、最新の技術やその実践を知る絶好の機会となっている。この記事では、会場を回った知財ハンターが作品展の様子をレポート。
渋谷の新しい文化施設Shibuya Sakura Stage内「404 Not Found」での受賞作品展は、巨大な曲面スクリーンが来場者を迎える。モダンで快闊な会場、展示作品数(18作品が一挙集合)の他、多くのテクニカルデザインやクリエイティブ企業が作品の紹介やトークセッションに来場し、出展者や関係者と意見を交わすことができるのもこの展示会のポイントだ。
コンピュテーショナル食感デザインプロジェクト
デジタルファブリケーション技術とコンピュテーショナルデザインを組み合わせた新しい食感・食品生成プロセスを発明するための試み「コンピュテーショナル食感デザインプロジェクト」。会場では、来場者が思い思いの「オノマトペ」を表現する言葉を入力し、実際に「食感デザイン」のデモ体験ができる。入力された言葉から振り分けられたパラメーターで食感ジェネレータが出力され、その形に3Dプリント出力された「オノマトペを食べること」ができるプロジェクトだ。試食提供の時間帯であれば、実際にその「食感デザイン」で出力された可食フィラメントを試食することが可能だ。
知財図鑑では、「バレンタインデー」と入力してみた。
入力したコトバは、GizaGiza(ギザギザ)、SakuSaku(サクサク)、PaliPali(パリパリ)、PoliPoli(ポリポリ)、MochiMochi(モチモチ)の各パラメーターに振り分けられ、その都度それぞれの「食感デザイン」の造形物が出力される。
試食提供の時間帯であれば、実際にその「食感デザイン」で出力された可食フィラメントを試食することができた。
パラメーター出力のシステムも惜しげもなく展示されていた。詳しい説明を出展者に伺うこともできる。
Neo Chinese Pattern/太古汇
3Dプリントと中国の伝統的な釉薬を組み合わせた製法の、イノベーションラウンジファサードデザイン「Neo Chinese Pattern」。会場では、セラミック3Dプリントの建材の実物を目にすることができる。中国に実際に赴かなくてもファサードの3Dセラミックプリントを間近で見ることができる貴重な機会だ。
中国 広州太古汇内に新しく誕生したイノベーションラウンジのファサードデザインに採用されている3Dセラミックプリントを使ったファサード。3Dプリントと中国の伝統的な釉薬を組み合わせた製法は作り方として非常にユニーク。
テクノロジーによるマテリアルの拡張
「テクノロジーによるマテリアルの拡張」プロジェクトは、構成物質が全て天然由来であり土に還るマテリアルである和紙に着目し、テクノロジーとデザインの境界がない表現を目指した作品。会場では、土に還る天然素材に実際に通電する様子を見ることができる。伝統的な和紙の漉き方にとどまらない、3Dプリントで成型した型で和紙を漉く方法についても伺うことができた。
こちらは3D成型した型に和紙の原料をまとわらせ、型を回転させて遠心力の力で、3Dプリントの型に「機械漉き」することを可能にしているとのこと。
HHKB Studio
All-in-Oneタイプのキーボード「HHKB Studio」。コンパクトキーボード。ポインティングスティックとジェスチャーパッドの機能を搭載し、打刻感やポインティングスティックを試すことができる。パソコンを使って仕事をする人ならば、1日の大半の1/4〜1/3の時間触れることになるPCキーボードにこだわる人が増えるのも納得の打刻感、キー配列角度やカーブ、手を大きく動かさずとも最小限の動作でキー入力やカーソル移動のできる速打ち感なども体験できた。
共創賞 壁紙AI識別アプリ「かべぴた」
テクニカルディレクションアワード受賞の他にも、「KANSAI DX AWARD 2024」グランプリ受賞」「グッドデザイン賞2024」など数多く受賞している壁紙AI識別アプリ「かべぴた」。
これまで数時間かかっていた壁紙の特定・識別作業が数秒で完了する、建設業界において長らくの課題であった長時間作業から解放する壁紙AI識別を用いたDX(Digital Transformation)の好事例だ。
さらに、会場では13の受賞プロジェクトに関連するトークセッションが開催される。登壇者たちが制作プロセスや試行錯誤の裏話を語り、「テクニカルディレクションとは何か」「プロトタイピングの重要性」「共創と越境」などの専門的なテーマが扱われる。ソニー、note、TBSなどの大手企業からのクリエイターも登壇し、プロジェクトの裏側に迫る貴重な内容を聞くことが可能。入場は無料で、事前予約も不要だ。
Session #1「テクニカルディレクションとは?」 登壇者: 大西 拓人(ソニーグループ株式会社 技術戦略部 シニアマネージャー・テクニカルディレクター) 荻野 靖洋(株式会社コネル テクニカルディレクター/株式会社知財図鑑 知財ハンター) 今 雄一(note株式会社 CTO) 森岡 東洋志(ベースドラム株式会社 テクニカルディレクター/一般社団法人テクニカルディレクターズアソシエーション 発起人)
11/16(土) 12:00-13:00 Session #1「テクニカルディレクションとは?」
11/16(土) 14:00-15:00 Session #2「他社との共創」
11/16(土) 16:00-17:00 Session #3「試行錯誤・プロトタイピング」
11/16(土) 18:00-19:00 Session #4「チャレンジングなモノ作り」
11/17(日) 12:00-13:00 Session #5「体験をつくる」
11/17(日) 14:00-15:00 Session #6「越境とチームビルディング」
11/17(日) 16:00-16:30 Lightning Talk (Presentation)
11/17(日) 17:00-17:40 Session #7「映像業界のDX」
11/17(日) 18:00-18:15 Session #8 クロージングトーク
リアルな場でしか味わえない体験と交流が魅力な、この受賞作品展。展示は渋谷駅から徒歩3分の好アクセスな会場で開催されており、技術者やクリエイターだけでなく、技術に興味がある一般の来場者にもおすすめのイベントだ。
テクニカルディレクションの重要性や技術を支える職能への理解を深める場となっており、会期中に訪れることで、最新の技術革新に触れるだけでなく、新たなインスピレーションを得る絶好のチャンスといえるのではないだろうか。
■第1回 Tech Direction Awards展示・トークイベント 開催概要
11月15日(金) 18:00-21:00 メディア・関係者向け内覧会
11月16日(土) 11:00-21:00 一般公開
11月17日(日) 11:00-19:00 一般公開
会場:404 Not Found https://www.404shibuya.tokyo/〒150-0031 東京都渋谷区桜丘町1-4 Shibuya Sakura Stage SHIBUYA SIDE 4F
JR山手線「渋谷駅」より新南改札を出て徒歩3分
入場料:無料
公式サイト:https://award.tech-director.org/event01公式Xアカウント:https://x.com/tda_org
取材・文:福島由香
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