No.329

知財図鑑関連アワード受賞知財

2021.05.21

日本独自の「美」をビジュアルや数値で表現したデジタル図鑑ツール

日本感じ辞典

日本感じ辞典

概要

(「日本感じ辞典」は、「卒論OPEN AWARD 2021」の最優秀賞受賞論文の関連知財です。)

「日本感じ辞典」とは、日本の美意識の傾向をまとめ、美意識を活用するためのデジタル図鑑ツールである。日本人の潜在的共通認識と思われる美意識を、言語ではなく色・形・動きの観点で捉え、ビジュアルや数値で表現することを目指した研究の一環で生まれた。言語を解しない人でも日本文化を理解する一助になり、日本のモノづくりや経済力を発展させる可能性を持つだけでなく、応用すれば異文化理解に役立つツールにもなり得る。

なにがすごいのか?

  • 先行研究から導き出した美意識の構成要素を整理し、色・フォント・オノマトペという世界共通で理解可能な表現に転換。

  • 個々の美意識のワードを解釈するだけでなく、ワード同士の相関や関係性を示すことによる総合的な理解の促進。

  • 表現の対象を置き換えることで多様な異文化理解に繋がる、応用性の高さ。

なぜ生まれたのか?

大学の研究室で海外の企業とやりとりをすることが多かった熊澤氏が、日本の文化をうまく言語化して伝えられないもどかしさを感じていたことが、研究に着手するきっかけとなった。

また社会的背景としても、経済や社会制度が発展し、必要なものを買う消費から付加価値に対価を払う消費に移行している現代社会において、消費者の感性や美意識を深く知ることが求められている。さらには2021年東京オリンピックや2025年⼤阪関⻄万博など、⽇本に世界の注⽬が集まる機会が増えていく中で、国外からも日本の美意識に注目が集まる局面にある。これらのことから、言語化が難しい美意識という価値観に注目しビジュアル化を目指すツール開発に至った。

相性のいい産業分野

教育・人材

その国や文化地域特有の感性をビジュアル化した、異文化理解教育

医療・福祉

他人から理解されにくい疾患を抱えた人の気持ちを理解するためのツール

メディア・コミュニケーション

高齢者や若者の世代特有の考え方が理解できる翻訳機

生活・文化

ジェンダーや人種など、差別の温床となりがちなテーマでの発言時に使う「SNSチェッカー」

この知財の情報・出典

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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