プロテインパウダー by Nutrapharma：植物性食品廃棄物から作られたプロテインパウダー

概要

英国に本社を持つNutrapharma（ヌトラファーマ）が開発した「プロテインパウダー」とは、廃棄予定の農作物で製造したプロテインパウダーである。農業が盛んな英リンカーン州で廃棄されていた農作物に着目し、廃棄農作物を利用した植物性タンパク質の粉末を生成した。市場に出せず余った野菜や果物はその多くが廃棄されており、廃棄コストの負荷や、廃棄時の二酸化炭素排出による環境負荷が課題となっているが、本プロテインパウダーは負荷軽減に寄与する。今後、Nutrapharmaのプロテインパウダーの実用化と、活用商品の開発が進めば、農作物の食品ロスを無くし、人と地球の持続的な発展を支えると期待される。

なぜできるのか？

新しい製造技術の開発

開発者であるエリック・ヒルトン博士（NutrapharmaのCEO）は、スコットランドの農家と協力し、余剰野菜や果物を再利用するための研究を実施。研究の中で、最適な乾燥プロセスと粉砕技術を開発し、豊富な植物性タンパク質を持ち口当たりの良いプロテインパウダーを生成した。研究の中で生成したいくつかのサンプルは、ホエイプロテイン（原材料は牛乳のホエイ（乳清）に含まれるタンパク質）よりも高いタンパク質含有量を示したという。

プロテインや栄養剤などの開発環境と製造技術

Nutrapharmaは、薬効研究や治療薬研究など製薬関連事業のほか、スポーツプロテインやビタミン剤、植物を活用したサプリメントなどの開発も手掛けている。また植物の収穫量を増やす栄養剤の開発など、農業関連の技術開発も実施。リンカーンにある自社研究室では、最先端のナノテクノロジー技術を活用した独自ソリューションの開発を行っている。