鉱石原料の研究と独自調合

人体にポジティブな作用をもたらす元素を含む、様々な鉱石の研究を重ね、最適な調合を確立。調合した鉱石のミネラルパウダーを加工して機能性繊維素材を構築している。長年スポーツウェアなどのデザインを手がけてきた代表が、パフォーマンスを上げるウェアの機能性が生地の吸水速乾や伸縮性などに留まっていることに疑問を持ち、科学的にパフォーマンスを高めるテクノロジーとして開発した。継続的な技術開発を行っており、新たな素材の開発も予定している。

生来の皮膚機能の活用

痛点・温点・冷点・圧点の四つの感覚器を備えた皮膚を「マルチファンクショナルウェア」と捉えて着目。体温調節や、刺激による反射・反応など、皮膚が持つ機能を利用し拡張する素材を目指して「AddElm」を開発した。睡眠をサポートする「add.00」は、眠くなる時の体温変化を利用して眠りを誘発する。リラックスを促す「add.01」では、被服環境を人肌に近い温度に整えて安らぎを提供する。「add.02」は、適度な皮膚刺激を与えて日中をアクティブ（覚醒状態）にする。アスリートを対象とした「add.03」は、皮膚などの感覚器の刺激で身体を活性化させ、筋肉の効率的な動きを引き出す。これらの製品コンセプトや機能性、デザインは多数の世界的な評価を獲得。2023年には、「add. 03」を用いたアスリート向けの「HERO SUITS（ヒーロースーツ）」が、世界最大級のスポーツ展示会「ISPO」のスマートテクノロジー部門で「Best Product」を受賞した。

人体への影響度を測る「ACTIVE INDEX」

人体のパフォーマンスやコンディションにどんな影響を与えるかを評価する基準「ACTIVE INDEX（アクティブ・インデックス）」を設け、「AddElm」製品の機能性を測定・可視化している。基準策定にあたっては、伊藤忠ファッションシステムとユニチカガーメンテックからなる検査機関「HC Lab」と協業。延べ100人以上の製品着用試験を行った。試験を通じて、筋電位測定や心拍数、覚醒度、脳波、呼気代謝、集中力持続力などのデータを取得し、基準と指数を設定している。スポーツブランドへ機能の信頼性を示すとともに、消費者が目的に合った製品を選びやすい状態を目指して基準を設けたという。